【話題の本】『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』日経コンピュータ他著

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■一大プロジェクト、迫真の舞台裏

 みずほ銀行で昨年7月、19年にわたるシステム刷新・統合の一大プロジェクトが完了。同行は老朽化したシステムからの脱却を果たした。1000社以上のIT企業が参加し、巨額投資もしながら失敗を重ね、長期化。なかなか完成しないスペインの教会にちなみ「IT業界のサグラダファミリア」と揶揄(やゆ)もされた。

 本書はこの問題を約20年追い続けてきた専門誌「日経コンピュータ」の記者たちがまとめ、発売1カ月で7万部の売れ行きだ。2度の大規模システム障害など失敗はなぜ起きたか、経営幹部から女子行員まで、何を考え、どう動き、いかに乗り越えたか。事実とデータ、コメントから迫真の舞台裏が浮き彫りになる。

 新人記者時代から取材にかかわり、現在編集長の大和田尚孝さんは「デジタル社会で依存度が高まっているが、目に見えない情報システムを作る人たちの苦労やリスクの怖さを再認識してもらえたら」と話す。

 ヒットはプロジェクトへの関心が高いIT、金融業界が中心だが、「他の業界の方にもITで失敗しないための参考に」と大和田さん。システム老朽化のリスクを指す「2025年の崖」を控え、転ばぬ先のつえになるか。(日経BP・1800円+税)

 三保谷浩輝

産経新聞
2020年3月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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