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- 土に贖う
- 価格:1,815円(税込)
第39回新田次郎文学賞が14日に発表され、河崎秋子さんの『土に贖う』(集英社)に決まった。
受賞作『土に贖う』は、北海道別海町生まれの河崎秋子さんが故郷の歴史をテーマにした短編集。羊飼いと作家を兼業することで注目を集めた河崎さんが、明治維新以降の北海道の盛衰をそれぞれの主人公を通して濃厚に描く。
書評家の杉江松恋さんは、本作について「北海道という地方の小説だが、作品の窓からは日本の近現代の全体が展望できる。過去から放たれた光は読者の胸の奥まで届くだけではなく、その前途をも照らすだろう」(小説新潮・書評)と評している。
( https://www.bookbang.jp/review/article/585883 )
著者の河崎さんは、1979年北海道別海町生まれ。北海学園大学経済学部卒業後、ニュージーランドで1年間、緬羊飼育技術を学ぶ。自宅で酪農従業員のかたわら、緬羊を飼育・出荷。2012年に「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。2014年に「颶風の王」で三浦綾子文学賞を、2015年にJRA賞馬事文化賞を受賞する。2019年には北海道の山中で熊に父親を殺され、ひとり取り残された青年・キミヤが、野生の恐ろしさや自然の厳しさと闘う姿を描いた『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞している。
新田次郎文学賞は、山岳小説の分野ですぐれた作品を残している作家・新田次郎さんの遺志により創設された文学賞。前年に刊行された作品を対象にノンフィクション文学、または自然界を題材にした優れた作品に与えられる。
昨年は、伊与原新さんの『月まで三キロ』(新潮社)が受賞。過去には沢木耕太郎さんの『一瞬の夏』(第1回)、佐々木譲さんの『武揚伝』(第21回)、原田マハさんの『リーチ先生』(第36回)などが受賞している。
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