「左翼は何を達成し、なぜ失敗したのか」池上彰と佐藤優が迫る[新書ベストセラー]

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 6月22日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『スマホ脳』が獲得した。
 第2位は『老いる意味 うつ、勇気、夢』。第3位は『人新世の「資本論」』となった。

 4位以下で注目は7位に初登場の『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960』。ジャーナリストの池上彰さんと作家の佐藤優さんが日本近現代史から忘れられた「左翼史」を検証した一冊。戦後の占領統治下で躍進した左派から、社会党の隆盛、「スターリン批判」へと向かった経緯、1960年代の新左翼誕生までを振り返る。池上さんは続刊について、《今後のシリーズは、一九六〇年以降、いわゆる新左翼運動の勃興と没落を論じることになります》と同書の前書きで綴っている。今週3位のマルクス主義を見直した『人新世の「資本論」』が32万部を突破するなど、日本でも社会主義が再評価される機運が続いている。しかし、今こそ、日本の左翼は何を達成し、なぜ失敗したのか、二人の知の巨人の分析に耳を傾けるべきかもしれない。

1位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。(新潮社ウェブサイトより)

2位『老いる意味 うつ、勇気、夢』森村誠一 [著](中央公論新社)

老後は勇気をなくして乗り切れない。今までの人生の経験を凝縮して明日に立ち向かう。老後は良いことばかりではない、思わぬ病気もする。老人性鬱病を告白し克服した作家の壮絶な闘い。老後の生き方の意味を提言する森村誠一渾身の話題作。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『人新世の「資本論」』斎藤幸平[著](集英社)

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。 気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。 それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。 いや、危機の解決策はある。 ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。 世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!(集英社ウェブサイトより)

4位『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち(2)』宮口幸治[著](新潮社)

5位『在宅ひとり死のススメ』上野千鶴子[著](文藝春秋)

6位『現代語訳 論語と算盤』渋沢栄一[著]守屋淳[翻訳](筑摩書房)

7位『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960』池上彰、佐藤優[著](講談社)

8位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治[著](新潮社)

9位『京大 おどろきのウイルス学講義』宮沢孝幸[著](PHP研究所)

10位『生物はなぜ死ぬのか』小林武彦[著](講談社)

〈新書ランキング 6月22日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年6月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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