村上春樹『女のいない男たち』 アカデミー賞受賞の「ドライブ・マイ・カー」効果で文庫ベストセラーランキング1位

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 4月5日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『女のいない男たち』が獲得した。
 第2位は『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』。第3位は『余命10年』となった。

 1位の『女のいない男たち』は3月28日に発表された第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督・脚本/西島秀俊・主演)の原作小説。映画「ドライブ・マイ・カー」は妻を亡くした舞台俳優で演出家の主人公が、専属ドライバーの女性との交流をきっかけに、妻の秘密と自身の悲しみに向き合っていく物語。映画のストーリーも短編小説と大筋では同じだが、同じく同短編集に収録された「シェエラザード」「木野」からもアイデアを採り入れている。同文庫は2016年の発売以来、トーハンのベストセラーランキングで初の文庫部門1位となった。

1位『女のいない男たち』村上春樹[著](文藝春秋)

6人の男たちは何を失い、何を残されたのか?本書は村上春樹が「月刊文藝春秋」「MONKEY」などに発表した作品をまとめ、2014年に発表した短編集。累計100万部突破のベストセラー!舞台俳優・家福を苛みつづける亡き妻の記憶。彼女はなぜあの男と関係したのか…(「ドライブ・マイ・カー」)。妻に去られた男は会社を辞めバーを始めたが、ある時を境に店を怪しい気配が包み、謎に追いかけられる(「木野」)。ほか、「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「女のいない男たち」など。封印されていた記憶の数々を解くには、今しかない――見慣れたはずのこの世界に潜む秘密を探る6つの物語。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』三上延[著](KADOKAWA)

春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を、古書店の主でもある彼の祖父は、あろうことか全て売り払おうとしているという。なぜ――不可解さを抱えながら、ビブリアも出店する即売会場で説得を試みる店主たち。そして、偶然依頼を耳にした店主の娘も、静かに謎へと近づいていく――。(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『余命10年』小坂流加[著](文芸社)

20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。刊行後またたく間に10万部を突破し、SNSを中心にさらなる感動の輪を広げた涙より切ないラブストーリー。2022年春、小松菜奈さん坂口健太郎さんのW主演で満を持して映画公開決定!第6回静岡書店大賞映像化したい文庫部門大賞受賞作。(実行委主催静岡新聞社/共催静岡放送)(文芸社ウェブサイトより)

4位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

5位『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん4』燦々SUN[著](KADOKAWA)

6位『本所おけら長屋(十八)』畠山健二[著](PHP研究所)

7位『きたきた捕物帖』宮部みゆき[著](PHP研究所)

8位『独り立ち 吉原裏同心(37)』佐伯泰英[著](光文社)

9位『三千円の使いかた』原田ひ香[著](中央公論新社)

10位『死にゆく者の祈り』中山七里[著](新潮社)

〈文庫ランキング 4月5日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年4月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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