年末恒例ミステリランキングがベストセラーランキングに 今週の1位は「新宿鮫」の新刊

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 12月6日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『黒石 新宿鮫XII』が獲得した。
 第2位は『老害の人』。第3位は『教誨』となった。

 4位以下で注目は4位に初登場の『このミステリーがすごい!2023年版』。年末恒例のミステリランキングの決定版。今年の国内編1位は呉勝浩さんの『爆弾』(講談社)。第167回直木賞の候補作にもなったサスペンスミステリだ。些細な傷害事件で警察に逮捕されたとぼけた男。男はある場所での爆発を予言し、実際に爆発が起こる。さらに三度の爆発を予言する男と、それを止めようとする警察の攻防が始まる。

 書評家の大矢博子さんは刊行時の書評で《まさに爆弾並の威力を持つ新刊》と紹介。描かれる男と警察の知恵比べを《これがもうべらぼうに面白い》と絶賛。《彼の饒舌な喋りのどこにヒントがあるのか。警察は果たして次の爆発を止められるのか。スズキとは何者なのか。そして彼の真の狙いは何なのか。いくつもの謎が錯綜し、そのひとつひとつに意外な展開が用意されており、読んでいる間、まったく油断できない。言葉遊びに仕掛けられた頭脳戦と、爆弾を探して緊迫の中を駆け回る現場のサスペンス、その両方が見事に融合して読者を放さない》《その果てに見えてくるのは、今の日本を覆う不寛容と悪意である。その落とし所はどこか。読者の胸の深いところに爆弾を仕掛けて、物語は幕を閉じる。実に上手い。》と評している。

1位『黒石 新宿鮫XII』大沢在昌[著](光文社)

地下ネットワーク「金石」の幹部、高川が警視庁公安に保護を求めてきた。高川は、正体不明の幹部“徐福”が、謎の殺人者“黒石”を使って反発するものを排除して、「金石」の支配を企んでいると怯えていた。「金石」と闘ってきた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川と会う。その数日後に千葉県で反“徐福”の幹部と思しき、頭を潰された遺体が発見された。過去十年間の“黒石”の手口と類似した未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した――。鮫島は、どこまでも不気味な殺人者“黒石”の正体を暴き、逮捕できるか!?シリーズ最高の緊迫感で一気読みの最新第十二作!(光文社ウェブサイトより抜粋)

2位『老害の人』内館牧子[著](講談社)

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!(講談社ウェブサイトより抜粋)

3位『教誨』柚月裕子[著](小学館)

幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――「約束は守ったよ、褒めて」吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。(小学館ウェブサイトより)

4位『このミステリーがすごい!2023年版』『このミステリーがすごい!』編集部[編](宝島社)

5位『チンギス紀 十五 子午』北方謙三[著](集英社)

6位『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 26』理不尽な孫の手[著](KADOKAWA)

7位『転生したら捨てられたが、拾われて楽しく生きています。』トロ猫[著](アルファポリス)

8位『心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理』神永学[著](講談社)

9位『未実装のラスボス達が仲間になりました。5』ながワサビ64[著](KADOKAWA)

10位『このライトノベルがすごい! 2023』『このライトノベルがすごい!』編集部[編](宝島社)

〈文芸書ランキング 12月6日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年12月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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