「うわっ!!」と本気で声が出た 驚愕の仕掛けに書店員も「いや、凄すぎません?」「王様のブランチ」でも話題のミステリ小説が10万部を突破[文庫ベストセラー]

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 6月13日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』が獲得した。
 第2位は『勘定侍 柳生真剣勝負〈七〉 旅路』。第3位は『52ヘルツのクジラたち』となった。

 4位以下で注目は8位に初登場の『陰陽師 水龍ノ巻』。夢枕獏さんによる人気シリーズ第17弾。平安時代を舞台に稀代の陰陽師・安倍晴明と親友の源博雅が怪事件に挑む。今作では疫病をテーマにした短編の他、全8話が収録されている。「陰陽師」は2023年にNetflixでアニメ版の配信が決定しており、そちらも待ち遠しい。

 10位に初登場のミステリー小説『世界でいちばん透きとおった物語』も注目作。紙の書籍でしかできない仕掛けが施されており、仰天の読書体験を得られると好評。6月10日に放送されたTBS系バラエティ番組「王様のブランチ」で特集されたほか、若者に人気のYouTuberに取り上げられ、SNSを中心に話題となり現在発行部数は10万部。

 紀伊國屋書店ゆめタウン博多店の書店員・高橋まゆみさんは《謎がどんどん解き明かされる過程でこの小説、もしや…?とその仕掛けに気付かされた時、「うわっ!!」と本気で声が出ました。ページめちゃくちゃ戻ってめくりました。いや、凄すぎません?この小説。もちろん、ストーリーにもめちゃくちゃ引き込まれました。ミステリ要素がちりばめられていてエンタメ小説としてもとても面白かったです。ネタバレせずにPOPを書くの悩みますね。》と同書から受けた衝撃をコメントしている。

1位『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。涙あり、恋あり、活劇あり。待望の時代小説新シリーズの幕が開く。四か月連続刊行!(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『勘定侍 柳生真剣勝負〈七〉 旅路』上田秀人[著](小学館)

柳生宗矩の意に背いて、淡海一夜は柳生十兵衛と大和へ向かっていた。東海道を上り、ようやくたどり着いた箱根だったが、早くも関所番頭から足止めの嫌がらせに遭う。一方、信州高遠藩の保科肥後守正之を執政にすべく、大石高の国への領地替えを企む徳川将軍三代家光の野望を果たさんと、宗矩は加藤明成が統べる会津藩に潜り込ませた伊賀者に密命を発した。他方、一夜の嫁を望む信濃屋の永和と伊賀忍の佐夜はついに江戸に足を踏み入れ、駿河屋総衛門に厄介に。だが、宗矩に知られ、忍を差し向けられてしまう。さらに、老中堀田正盛の陰謀に巻き込まれた柳生左門は……。雲煙飛動の第七弾!(小学館ウェブサイトより)

3位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

二〇二一年本屋大賞第一位。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年の新たな魂の物語――。〈解説〉内田 剛(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『怪物【映画ノベライズ】』坂元裕二[脚本]是枝裕和[監督]佐野晶[著](宝島社)

5位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

6位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

7位『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子[著](宝島社)

8位『陰陽師 水龍ノ巻』夢枕獏[著](文藝春秋)

9位『懲役病棟』垣谷美雨[著](小学館)

10位『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光[著](新潮社)

〈文庫ランキング 6月13日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年6月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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