矢部太郎著『マンガ ぼけ日和』は「のんびりした余白が認知症患者の切なさを浮き彫りにする」いざというときの「心のコツ」を教えてくれる一冊[ノンフィクションベストセラー]

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 7月4日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノンフィクション・ライトエッセイ第1位は『VISION 夢を叶える逆算思考』が獲得した。
 第2位は『亡くなった人が、あなたに知ってほしい40の真実』。第3位は『マンガ ぼけ日和』となった。

 3位の『マンガ ぼけ日和』は認知症の専門医、長谷川嘉哉医師の著書『ボケ日和―わが家に認知症がやって来た!どうする?どうなる?』(かんき出版)のマンガ版。同書は認知症の進行具合を、春・夏・秋・冬の4段階に分け、段階ごとに患者さんに起こる変化や周りがとるべき対応を描いたエッセイ集。多くの実例を交えながらわかりやすく解説されている。マンガ版でも認知症患者とその家族の日常が矢部太郎さんの温かみのある絵柄で描かれ、笑って泣けて参考になる一冊となっている。

 コラムニストの今井舞さんは同書の書評で《独特ののんびりした余白の多い作風に、介護のリアルな生々しさはない。だが、その余白がかえって、認知症というものを抱えた当事者たちの、心の内の辛さ切なさを浮き彫りにする。》と矢部さんの絵柄の果たす役割を解説しながら、《認知症・介護の体験談やハウツーを書いた本は数多あるが、メンタル面での向き合い方にフォーカスしたものは意外と少ない。高齢化社会が進むにつれ、誰もが当事者になる可能性がある認知症。いざ対峙となった時の「心のコツ」を教えてくれる、支えの一冊。》と評している。

1位『VISION 夢を叶える逆算思考』三笘薫[著](双葉社)

サッカーワールドカップ・カタール大会出場の立役者であり、”三笘の1ミリ”で世界を驚かせた三笘薫選手。同選手の初の著書『VISION 夢を叶える逆算思考』(双葉社刊)が出版。普通のサッカー少年だった三笘選手が、今や日本を代表する選手にまで成長し、なぜ”世界のMITOMA”と評価されるようになったのか。三笘選手を形作る「120のメソッド」を全公開―!(双葉社ウェブサイトより)

2位『亡くなった人が、あなたに知ってほしい40の真実』サトミ[著](幻冬舎)

最も「してはいけないこと」は、亡くなった人への後悔です。10万部突破のベストセラー『亡くなった人と話しませんか』の著者、第二弾!(幻冬舎ウェブサイトより)

3位『マンガ ぼけ日和』矢部太郎[著]長谷川嘉哉[原案](かんき出版)

『大家さんと僕』『ぼくのお父さん』など話題作を生み出してきた著者が、認知症患者とその家族の日常を描いた!認知症の症状の進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて、それぞれの時期に認知症患者さんにどんな変化が起こり、介護者さんはどう対応したら良いのかがわかる構成。笑って、泣けて、不安がやわらぐ本です。(かんき出版ウェブサイトより)

4位『ツユクサナツコの一生』益田ミリ[著](新潮社)

5位『ほどよく忘れて生きていく 91歳の心療内科医の心がラクになる診察室』藤井英子[著](サンマーク出版)

6位『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』中野信子[著](日経BP)

7位『102歳、一人暮らし。 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』石井哲代[著]中国新聞社[著](文藝春秋)

8位『20代で得た知見』F[著](KADOKAWA)

9位『それは信者8000万人の巨大カルト ザイム真理教』森永卓郎[著](三五館シンシャ)

10位『どうせ死ぬんだから』和田秀樹[著](SBクリエイティブ)

〈ノンフィクション・ライトエッセイランキング 7月4日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年7月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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