「パンダ」なのに鳴き声は犬だった…? 母に愛され成長した「楓浜」の日々を振り返る

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 11月22日といえば「いい夫婦の日」……だけではない。和歌山県白浜町にあるレジャー施設「アドベンチャーワールド」で生まれた、ジャイアントパンダの楓浜(ふうひん)の誕生日でもある。

 2020年に誕生するやその愛くるしさでメディアを沸かし、名前を一般募集した際は11万もの応募があった楓浜。この雌パンダの成長記録を追い続けているのが、読売新聞・和歌山支局だ。誕生から2歳までの日々を追った連載は大人気で、クラウドファンディングによってムック本が作られ、さらに電子書籍化もされた。

 可愛さ満載の写真はもちろん、驚きの鳴き声や意外なつむじの事実など、あまり知られていないパンダ雑学も詰まったこの本から、もうすぐ3歳になる楓浜の成長を振り返ってみよう。

(以下、読売新聞の連載が電子書籍になった『パンダダイアリー(読売新聞アーカイブ選書)』より抜粋・一部表記を修正しました)

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母親の腕に抱かれて姿が見えないのは…(2020年12月12日、20日齢)


まぶたが動くようになった楓浜(写真:アドベンチャーワールド撮影)

 ジャイアントパンダの赤ちゃんが生まれてから13日で3週間になります。全長は、赤ちゃんの鼻の頭から尻尾の先までの長さを言います。アドベンチャーワールド によると、 12日の全長は33.5センチで、生まれた時より13センチも伸びました。体重は生まれた時の4倍超になり、自力で踏ん張って体を起こせるようになってきました。目はつむったままですが、まぶたを少し動かせるようになりました。目が開くのは生後2か月くらいです。

  数日前まで、少しでも寒いと赤ちゃんが大きな声で鳴き、母親の良浜がぎゅっと抱きしめていました。その時は赤ちゃんの姿があまり見えませんでした。最近では、赤ちゃんの体温も安定してきたのか、親子が眠っている時も赤ちゃんの体が見えてきました。大きな体の良浜は力も強いですが、赤ちゃんをふんわりと抱っこをしています。

 アドベンチャーワールドの広報を担当する長谷川穂波さんは「良浜の腕の中から赤ちゃんの姿が見えないのは、愛情深い子育ての証しです。温かく見守ってください」と話しています。

鳴き声はまさかの「ワン」! コロナ禍で育っていく様子も(2021年1月24日、63日齢)


大事そうに抱える母の腕から抜け出すことも(写真:アドベンチャーワールド撮影)

 ジャイアントパンダの雌の赤ちゃんの体重は24日、3キロを超えました。生後2か月を過ぎて、前脚で踏ん張り、上体を起こす姿もよく見られるようになりました。木箱の中を隅々まで動き回るなど、少しずつ力強さも備わってきています。母親の良浜の腕から抜け出る時もあります。でも、良浜は寝ていても赤ちゃんを引き戻します。

 赤ちゃんは徐々に目が見えるようになってきたようです。目の前を通り過ぎるものに驚くと大きな声で「ワン」と鳴くこともあります。スタッフが構えているカメラに少し目線が合っているように見えます。

 パンダの赤ちゃんの一般公開は1月下旬に予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、11都府県に対する緊急事態宣言の期限の2月7日以降に、アドベンチャーワールドが判断します。アドベンチャーワールドの広報を担当する長谷川穂波さんは、「アドベンチャーワールドでは毎日、動画や写真でパンダ親子の様子を公開していますので、お楽しみください。一般公開は決まり次第、ホームページでお知らせします」と話しています。

Book Bang編集部
2024年11月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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