「お、重い。厚い。」京極夏彦 百鬼夜行シリーズ17年ぶりの最新作が総合ランキングでも1位[文芸書ベストセラー]

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 9月20日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『くもをさがす』が獲得した。
 第2位は『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』。第3位は『鵼の碑』となった。

 3位に初登場の『鵼の碑』は京極夏彦さんの「百鬼夜行」シリーズ17年ぶりの最新長編。読み方は「ヌエノイシブミ」。同シリーズは1994年第一弾の『姑獲鳥の夏』(講談社)よりはじまり、2006年までに長編9作が発表され、その後は短編や外伝が刊行されていた。今作は2006年の『邪魅の雫』(講談社)以来の待望の長編で、人気の登場人物、中禅寺秋彦や関口巽、榎木津礼二郎、木場修太郎、益田龍一らが登場する。同書は単行本とノベルス2つの判型で出版されており、トーハンの週間ベストセラー(9月20日付け)では文芸書3位に単行本、本の総合部門とノベルス部門1位にノベルス版がランクインしている。単行本は四六版サイズで1280ページ・3960円(税込)。ノベルス版は新書サイズで832ページ・2420円(税込)。どちらも「鈍器」「レンガ」のような佇まいだ。

1位『くもをさがす』西加奈子[著](河出書房新社)

カナダでがんになった。あなたに、これを読んでほしいと思った。これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。(河出書房新社ウェブサイトより)

2位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。(以下、本文『後悔しないように』引用)「もっと早く告白しておけばよかった」幼なじみの彼は言った。慎重なところが魅力な彼だけれど、今回はその人柄が裏目に出てしまったらしい。「元気出して」「まあ大丈夫。お前は俺みたいに後悔するなよ」こんな時ですら私の心配だ。でも、私はそんな彼のことが――。「じゃあ、後悔しないように言うね」(スターツ出版ウェブサイトより)

3位『鵼の碑』京極夏彦[著](講談社)

百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作長編がついに!殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。死者の声を聞くために訪れた女。そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。シリーズ最新作。(講談社ウェブサイトより)

4位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

5位『ハンチバック』市川沙央[著](文藝春秋)

6位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

7位『すべての恋が終わるとしても -140字のさよならの話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

8位『汝、星のごとく』凪良ゆう[著](講談社)

9位『本の雑誌 2023年10月 アジフライ着陸号 No.484』(本の雑誌社)

10位『神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX』石田衣良[著](文藝春秋)

〈文芸書ランキング 9月20日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年9月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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