しんどいのに頑張れてしまう人こそ注意! 実はその症状は「うつ病」かもしれないサインとは? 精神科医が解説する「笑顔うつ」

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク


しんどいのに元気なふりをしてしまう「笑顔うつ」とは?(Image by photoAC)

「やりたいことはたくさんあるのに、うまくこなせない」
「悲しくもないのに、涙があふれてくる」
「寝ているにもかかわらず、毎日体が重く感じる」

 心と体が一致せず「本来の自分」ではない感じがする……でも、うつ病っていうほどしんどくないし……と、あなたは“なんとなく感じる不調”をごまかしていないでしょうか?

 図星なら、ちょっと立ち止まってみましょう。「他人の前では元気そうにできるけれど、心身の不調が続いている」という人は、“笑顔の仮面”がとれない「笑顔うつ」になっているかもしれないからです。

 一般的に、うつ病などの心に関する病気は、表情が暗くなったり覇気がなくなったりと、わかりやすい変化があることをイメージするでしょう。でも、それは正しくもあり、間違ってもいます。

 なかには、社会生活を送れていても体の不調が長期間続いていたり、ストレス因から離れると笑顔になれたりして、表面的に見えにくい場合もあるからです。むしろ、異変が目に見えてきた段階では、症状が進んでいるのです。

笑顔うつになると迷いこむ「4つの世界」


笑顔うつになると迷いこむ「4つの世界」 イラスト:かりた

「笑顔うつ」は医学的には公式な病名ではありませんが海外でも研究が進められており、一般的には軽度または中程度のうつ病や適応障害にあたります。

「笑顔うつ」になるとあらゆる不調が心と体に現れますが、現れ方も原因も人によってさまざま。たいていは、次の4つの世界のどこかに迷いこんでしまいます(次の(1)~(4)の状態のなかに、2週間以上続いている状態があれば、チェックを入れてください。当てはまるものが多いのが、いまのあなたの迷いこんでいる世界です)。

(1)体調不良が目立つ「歩くと体調が悪くなる道」

 □体調不良が続いて「苦痛」を感じる
 □内科にかかっても原因不明な体調不良がある
 □仕事や家事に支障がでている

 この世界にいる人は、さまざまな身体症状に悩まされるのが特徴です。

 よく眠れない、夜中に何度も目が覚めるという不眠症状をはじめ、だるさや疲れ、頭痛、微熱、のどに球のようなものが詰まっているなどの感覚があります。

 身体的症状に悩まされるのが特徴とはいえ、落ちこみや不安などの精神症状がまったくないわけではなく、「自覚していない」というのが正しい言い方になります。よく聞くと、精神症状が根底にある人もいます。

精神科医しょう(せいしんかい・しょう)
Instagram(フォロワー7万人超)などSNSを中心にHSP気質やメンタルヘルスについて発信する精神科医。大学病院に所属し、精神科医としての業務に加え、研究にも従事している。著書に『頑張り屋さんのための心が晴れる本』(KADOKAWA)などがある。

あさ出版
2023年9月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

あさ出版

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

株式会社あさ出版のご案内

あさ出版は、創業者がビジネス書の出版社出身であることから、1991年ビジネス書分野の出版からスタートしましたが、現在では一般書、語学書にまでジャンルを拡大しています。書籍の力を信じ、すべての働く皆様に、「わかりやすくて役に立つ」書籍を、かつ「生きる勇気・働く情熱」を生み出していただける書籍を発行していくこと、これが私たちの使命です。