「桶狭間の戦い」は奇襲作戦ではなかった? 「長篠の戦い」の鉄砲三段撃ちは捏造? 呉座勇一が戦国合戦の真実に迫る一冊が登場[新書ベストセラー]

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 9月26日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』が獲得した。
 第2位は『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』。第3位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』となった。

 4位以下で注目は『動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで』。『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社)の大ヒットで知られる歴史学者の呉座勇一さんの新著。最新の研究結果をもとに戦国時代の合戦の真実に迫った一冊。「長篠の戦い」の信長の鉄砲三段撃ちは後世の捏造だった? 「桶狭間の戦い」は奇襲作戦ではなかった? ドラマや歴史小説でも何度もとりあげられたきた戦国時代を象徴とする六つの戦いをとりあげその実態を解説する。

 呉座さんは同書のなかで、有名な戦いであっても《戦後歴史学が反戦平和主義の立場から軍事研究を忌避したこともあり》《歴史学会で戦国合戦の研究が本格的に行われるようになったのは、ここ三十年のことであり、しかもその成果は一般にはあまり伝わっていない》と解説し、《通俗的な戦国時代像を更新する》と同書の意義を述べている。

1位『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』石井暁[著](講談社)

TBS系日曜劇場VIVANTで話題沸騰! 帝国陸軍から自衛隊に引き継がれた“負の遺伝子”とは?日本が保持する「戦力」の最大タブーとは?――身分を偽装した自衛官が国内外でスパイ活動を行う、陸上自衛隊の非公然秘密情報部隊「別班」に迫った日本で唯一の書!別班と三島由紀夫の接点、別班と米軍の関係、海外の展開先、偽装工作の手法、別班員になるための試験問題……災害派遣に象徴される自衛隊の“陽”とは正反対の“陰”の実体!(講談社ウェブサイトより)

2位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『日本の歪み』養老孟司[著]茂木健一郎[著]東浩紀[著](講談社)

5位『「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子[著](青春出版社)

6位『隋-「流星王朝」の光芒』平田陽一郎[著](中央公論新社)

7位『老い方、死に方』養老孟司[著](PHP研究所)

8位『動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで』呉座勇一[著](朝日新聞出版)

9位『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝[著](幻冬舎)

10位『終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来』小泉悠[著](文藝春秋)

〈新書ランキング 9月26日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年9月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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