[WBC]栗山監督「選手の将来につながるかどうか、それこそが唯一無二の行動規範」『栗山ノート』で明かされた勝利の理由[ノンフィクションベストセラー]

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 4月11日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノンフィクション・ライトエッセイ第1位は『102歳、一人暮らし。 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』が獲得した。
 第2位は『栗山ノート』。第3位は『安倍晋三 回顧録』となった。

 2位にランクインした『栗山ノート』は3月に開催された2023 ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表を導いた栗山英樹監督が2019年に発表した著書。栗山監督は小学生の頃から「野球ノート」に、気になる言葉を書き留めてきた。読書家としても知られる監督は「四書五経」などの古典や経営者・企業家など先人の言葉に学び、《野球を野球の常識だけで読み解くべきではない、という思いに辿り着きました》(同書より)という。栗山監督は選手たちの心を動かし、まとめ上げていくために何を考えているのか。その一端をうかがい知ることができる一冊だ。

 同書の中で栗山監督は《その選手の将来につながるかどうか、それこそが唯一無二の行動規範》と述べ、そうした考えで選手と向き合い心を響かせ合うことが大切だと述べる。そのためには自分の感動を選手にもぶつけることが大切だと語り、そうすることで《選手も「感」じて「動」いてくれる。感動の連鎖というか、響き合うことができます》と綴る。会見で涙をみせることも多い監督だが《心の表現は素直に、恥ずかしがらない。還暦が見えてきた自分が、高卒ルーキーの前で泣いたっていい。恰好を付けたり体裁を整えたりするより、そのほうがよほど自分らしいはずだ、と思います。 感動して涙を流すことは、力を蓄えること、力を爆発させることにつながっています。》と持論を述べる。WBCの準決勝で村上宗隆選手を信じて奇跡を呼び込んだ栗山監督。「最後お前で勝つんだとずっと言ってきた。僕は信じてます」と会見で涙ぐみながら感動をあらわにした監督の言動こそがまさに、準決勝とその後の決勝戦での勝利を導いたと言えるだろう。

1位『102歳、一人暮らし。 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』石井哲代[著]中国新聞社[著](文藝春秋)

よく寝てよく食べよくしゃべる。こんなかわいいおばあちゃんになりたい!「中国新聞」に”人生100年時代のモデル”として密着記事が連載され、RCCテレビ「イマナマ!」にも出演し、広島で大人気!102歳の哲代おばあちゃん、初めての本。自分らしくご機嫌に老いるためのヒントが満載。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

2位『栗山ノート』栗山英樹[著](光文社)

監督就任から8年。リーグ優勝2回、日本一1回。名将はなぜ、常識を覆し感動を呼ぶ采配を振るのか?(光文社ウェブサイトより)

3位『安倍晋三 回顧録』安倍晋三[著]橋本五郎[聞き手]尾山宏[聞き手・構成]北村滋[監修](中央公論新社)

2022年7月8日、選挙演説中に凶弾に撃たれ、非業の死を遂げた安倍晋三元首相の肉声。なぜ、憲政史上最長の政権は実現したのか。一次政権のあっけない崩壊の後に確信したこと、米中露との駆け引き、政権を倒しに来る霞が関、党内外の反対勢力との暗闘……。乱高下する支持率と対峙し、孤独な戦いの中で、逆風を恐れず、解散して勝負に出る。この繰り返しで形勢を逆転し、回し続けた舞台裏のすべてを自ら総括した歴史的資料。オバマ、トランプ、プーチン、習近平、メルケルら各国要人との秘話も載録。あまりに機微に触れる――として一度は安倍元首相が刊行を見送った36時間にわたる未公開インタビューの全記録。(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『うちの猫がまた変なことしてる。7』卵山玉子[著](KADOKAWA)

5位『マンガ ぼけ日和』矢部太郎[著]長谷川嘉哉[原案](かんき出版)

6位『ねことじいちゃん(9)』ねこまき(ミューズワーク)[著](KADOKAWA)

7位『20代で得た知見』F[著](KADOKAWA)

8位『心をととのえるスヌーピー 悩みが消えていく禅の言葉』チャールズ・M・シュルツ[著]谷川俊太郎[訳]枡野俊明[監修](光文社)

9位『自分を受け入れるスヌーピー いろいろある世界を肯定する禅の言葉』チャールズ・M・シュルツ[著]谷川俊太郎[訳]宮内愛[訳]枡野俊明[監修](光文社)

10位『ねこねこ日本史(13)』そにしけんじ[著](実業之日本社)

〈ノンフィクション・ライトエッセイランキング 4月11日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年4月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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