SNSで話題の“パラレルミステリー”『ぎんなみ商店街の事件簿』焼き鳥タレ派なら「Brother編」塩派なら「Sister編」から先に読む?[文芸書ベストセラー]

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 10月17日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『続 窓ぎわのトットちゃん』が獲得した。
 第2位は『あなたが誰かを殺した』。第3位は『777 トリプルセブン』となった。

 4位以下で注目は6位と7位に初登場の『ぎんなみ商店街の事件簿 Brother編』『ぎんなみ商店街の事件簿 Sister編』(ともに小学館)。『探偵が早すぎる 上下』(講談社)や『その可能性はすでに考えた』(講談社)、『アリアドネの声』(幻冬舎)などトリッキーで緻密なミステリ小説で知られる井上真偽さんによる意欲作。「Brother編」と「Sister編」はどちらも同じ事件の顛末が描かれる。ただし「Brother編」では男四人の兄弟が探偵役だが、もう一方の「Sister編」では三姉妹が探偵役となり、たどり真実もひとつ、ではなく……、両面から楽しむことができる「パラレルミステリー」となっている。SNSで話題となり発売後即品切れしていたが重版がかかりランクインとなった。

「Brother編」と「Sister編」はどちらを先に読んでもよく、SNSではオススメ順や章ごとの交互読みが良い、など様々な意見がかわされている。ちなみに書店店頭にあるPOPには焼鳥のタレ派なら「Brother編」、塩派なら「Sister編」、習い事を始めるとして書道なら「Brother編」、音楽なら「Sister編」、商店街のくじ引きに当たったことがあるなら「Brother編」、ないなら「Sister編」へ、との紹介がされている。

 小説紹介クリエイターのけんごさんは《かけがえのない読書体験が得られる「怪作」!》と紹介し、《「Brother 編」と「Sister 編」、どちらから先に読んでも全く問題ない。ただ、ここはあえて断言しよう。この二冊の小説は、章ごとに交互に読むべきだ。その理由は、一つの事件に対して、二つの真実が隠されているからである。》(小学館「小説丸」より)とおすすめしている。

1位『続 窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子[著](講談社)

国民的ベストセラー、42年ぶり、待望の続編!国内で800万部、全世界で2500万部を突破した『窓ぎわのトットちゃん』。世界中で愛されている、あのトットちゃんが帰ってくる!泣いたり、笑ったり……トットの青春記。(講談社ウェブサイトより抜粋)

2位『あなたが誰かを殺した』東野圭吾[著](講談社)

★★★ミステリ、ど真ん中。★★★最初から最後までずっと「面白い!」至高のミステリー体験。閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。(講談社ウェブサイトより)

3位『777 トリプルセブン』伊坂幸太郎[著](KADOKAWA)

そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――累計300万部突破、殺し屋シリーズ書き下ろし最新作『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。そのホテルには、物騒な奴らが群れをなす!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『異世界に転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。12』じゃがバター[著](ツギクル)

5位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

6位『ぎんなみ商店街の事件簿 Brother編』井上真偽[著](小学館)

7位『ぎんなみ商店街の事件簿 Sister編』井上真偽[著](小学館)

8位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

9位『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 11』リュート[著](KADOKAWA)

10位『陰陽師 烏天狗ノ巻』夢枕獏[著](文藝春秋)

〈文芸書ランキング 10月17日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年10月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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