湊かなえ「制限をかけずに書いてみたら、本当にイヤな物語が完成した」イヤミスの女王がデビュー15周年記念作で吹っ切れる[文芸書ベストセラー]

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 12月19日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『続 窓ぎわのトットちゃん』が獲得した。
 第2位は『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身12」』。第3位は『人間標本』となった。

 3位に初登場の『人間標本』は湊かなえさんの最新作。湊さんの作家生活15年周年記念となる作品で、デビュー作『告白』(双葉社)を彷彿とさせる王道のイヤミス作品。湊さんは今週4位にランクインしている『このミステリーがすごい! 2024年版』内の作家が次作の構想を明かす人気コーナー「私の隠し玉」で《「イヤミスの女王」という看板を持て余していた時期もありましたが、五〇歳になり、いろいろなことから解放され、ハートが屈強になったぶん、自分に制限をかけずに書いてみたところ、本当にイヤな物語が完成しました》と逡巡と自信をのぞかせながら予告していた。湊さんは12月16日に放送されたTBS系バラエティ番組「王様のブランチ」に出演し、同作の告知も行っていた。

1位『続 窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子[著](講談社)

国民的ベストセラー、42年ぶり、待望の続編!国内で800万部、全世界で2500万部を突破した『窓ぎわのトットちゃん』。世界中で愛されている、あのトットちゃんが帰ってくる!泣いたり、笑ったり……トットの青春記。(講談社ウェブサイトより抜粋)

2位『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身12」』香月美夜[著](TOブックス)

「第五部 女神の化身」ついに完結! 大人気ビブリア・ファンタジー最新刊!(TOブックスウェブサイトより抜粋)

3位『人間標本』湊かなえ[著](KADOKAWA)

人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな 蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『このミステリーがすごい! 2024年版』『このミステリーがすごい!』編集部[編](宝島社)

5位『月が導く異世界道中19』あずみ圭[著](アルファポリス)

6位『星を編む』凪良ゆう[著](講談社)

7位『あなたが誰かを殺した』東野圭吾[著](講談社)

8位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛[著](スターツ出版)

9位『可燃物』米澤穂信[著](文藝春秋)

10位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

〈文芸書ランキング 12月19日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年12月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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