「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」が決定 大津市を舞台にした大ヒット作が1位に

文学賞・賞

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 株式会社ブックウォーカーが運営する日本最大級の読書コミュニティー「読書メーター」による、年間おすすめ本ランキング「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」が12月13日(水)に発表された。

 同ランキングは、2023年9月までの1年間に発売した書籍を対象に、読んだ本の登録数やレビューの投稿率を集計して選出された20作品の中から読者投票によって選ばれたベスト10だ。

 ノミネート作の中から、「本好きが1年で最もおすすめしたい1冊」として第1位に選ばれたのは、滋賀県大津市を舞台にした宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)。

 第20回「女による女のためのR-18文学賞」(以下:R-18文学賞)で、史上初めて大賞、読者賞、友近賞の三冠を獲得した青春小説。地元唯一の百貨店が閉店するまで毎日ニュースの中継に映り込むことをはじめ、幼なじみを巻き込んで唐突にM-1挑戦を決行、はたまた実験のために坊主頭にし、200歳まで生きると堂々と宣言する女子中学生・成瀬あかりの爆走生活を描いた本作は、三浦しをんさんや辻村深月さん、東村アキコさん、加納愛子(Aマッソ)さんなどが「最高の主人公が現れた!」と絶賛した作品だ。新人としては異例の10万部を突破し、初著書であるデビュー小説が刊行半年以内に10万部を超えるベストセラーとなるのは、平野啓一郎氏の『日蝕』以来で、25年ぶりの快挙であることが発表され話題となった。

 今回の発表を受けた著者の宮島さんは「無名の新⼈のデビュー作として、今年の3⽉に発売しました。果たしてわたしの作品がどのように受け⽌められるのか、⾃らも本好きの⼀⼈として、とても気になっていました。ふたを開ければ半年で10万部を達成。主⼈公の成瀬あかりにはたくさんのファンがつきました。これも読メユーザーの皆さまがクチコミで広めてくださったおかげです。来年の1⽉には続編となる『成瀬は信じた道をいく』が発売となります。パワーアップした成瀬をお楽しみください」と喜びのコメントを寄せた。

 宮島さんは、1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2021年に「ありがとう西武大津店」で第20回「R-18文学賞」を受賞し、同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビューした。本作の舞台である滋賀県大津市に在住している。

 2位には⻘⼭美智⼦さんの『⽉の⽴つ林で』、3位には辻村深⽉さんの『この夏の星を⾒る』がランクイン。総合ランキングは以下の結果となり、読書メーターでは、10位までの作品をそれぞれ100名、合計1,000冊をプレゼントするキャンペーンを実施することも発表している。

1位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈(新潮社)
2位『⽉の⽴つ林で』⻘⼭美智⼦(ポプラ社)
3位『この夏の星を⾒る』辻村深⽉(KADOKAWA)
4位『しろがねの葉』千早茜(新潮社)
5位『⽊挽町のあだ討ち』永井紗耶⼦(新潮社)
6位『名探偵のままでいて』⼩⻄マサテル(宝島社)
7位『リバー』奥⽥英朗(集英社)
8位『無⼈島のふたり:120⽇以上⽣きなくちゃ⽇記』⼭本⽂緒(新潮社)
9位『川のほとりに⽴つ者は』寺地はるな(双葉社)
10位『ゴリラ裁判の⽇』須藤古都離(講談社)


本好きが選んだイチオシの1冊「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」

「読書メーター OF THE YEAR」は、日本最大級の読書コミュニティー「読書メーター」が主催する年間おすすめ本ランキング。今年は、2023年9月までの1年間に発売した書籍を対象に、読んだ本登録数やレビュー投稿率を集計して選出された20作品の中から読者投票によって選ばれた。

2023年12月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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