キャットフードは「穀物不使用のグレインフリーが良い」って聞くけど本当?『獣医さん、聞きづらい「猫」のこと ぜんぶ教えてください!』試し読み

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日々進化するキャットフード。穀物を使わないグレインフリーのフードや、さまざまなフレーバーが楽しめる嗜好性の高いフードなど、店頭には多種多様な商品が並びますが、何を選べばよいのかわからないという人も多いのでは。そんな愛猫家の悩みに、獣医師兼カウンセラーとして活躍する宮下ひろこ先生が答えます。

以下、『獣医さん、聞きづらい「猫」のこと ぜんぶ教えてください!』(宮下ひろこ・著/日東書院本社)の試し読みを公開!

健康な猫は総合栄養食で1日に必要な栄養はとれる

 猫のごはんについてはさまざまな情報があり、どれが正しいのかわからず悩んでしまうという声をよく耳にします。毎日体に入れるものだからこそ気になるのは当然。できるかぎり安全で、健康によいものを食べさせたいですよね。
 日本では2009年6月1日からペットフードの安全性の確保を図る目的で、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されています。国内で扱われるペットフードはこの法律に沿って、成分規格などの基準がありますので、フードの質に関しては過度に心配する必要はありません。
「総合栄養食」と記載があるものであれば、栄養成分の基準を満たしてバランスがとれているので、健康な猫にはその中で選べば問題ありません。成長段階に合わせてカロリー計算もされているので、体重に合わせた量を与えてください。
 総合栄養食にはドライフード・ウェットフードの両方がありますが、ドライフード、いわゆるカリカリのほうが、量に対して高いカロリー、栄養がとれます。缶やパウチなどのウェットフードだけで1日に必要なカロリーや栄養をとるには相当な量を食べなければならないのでカリカリのほうが与えやすく人気です。コスト的にも低く済みます。


ライフステージや猫の好みに合わせた多種多様なキャットフードが店頭に並ぶが、どう選ぶべきか悩むことも

プレミアムフードとレギュラーフード

 総合栄養食にはプレミアムフードと呼ばれる製品があります。呼び方だけ見ると、高級品のイメージが強いですね。実際にほかの製品より価格帯は高めです。ただ単に高級というより、猫の健康を維持するさまざまな成分工夫がされている点が特長。例えば高品質の動物性タンパク質を多く含んでいる、保存料や酸化防止剤など添加物を使っていない/少ないなど、飼い主さんとしては魅力的なポイントが並びますね。

 プレミアムフードよりも低価格でスーパーマーケットやコンビニなどでも購入できるごはんは、一般的にレギュラーフードと呼ばれます。きちんと成分規格基準に則って作られているので安心してください。ただ、多くは嗜好性が高い(味やにおいが強い)ものが多く、猫の食いつきは悪くないのですが、何かの病気で療法食などに変えなくてはならない場合など、移行が難しいこともあります。

宮下ひろこ
獣医師/動物病院専任カウンセラー。日本大学獣医学科卒業後、小動物臨床に従事。その後心理学やカウンセリングを学び、2011年よりペットロスなどのカウンセリングを行う「動物病院専任カウンセラー」として動物病院に勤務。現在は、獣医師はじめ動物病院スタッフのキャリアに関わるコーチングや心理カウンセリングも行っている。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。一般社団法人日本グリーフ専門士協会認定グリーフ専門士。

イラスト・たまゑ

辰巳出版
2024年2月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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