仕事相手を不快にさせたり、困らせたりする「電話対応」とは? ベテラン社員もやりがちな不適切な発言

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

こんなときどうする? ワンランク上の電話応対術


電話をかける際は相手の時間を使っていることも意識し、長く話し過ぎないよう注意を

【相づちのバリエーション】
 相づちは、電話応対中に「あなたの話に関心を持っています」「聞いています」ということをあらわす大切な表現です。何気なく使っていると相手に不快感を与えることもあるので、意識して使うようにすると電話応対はより上達します。

 例えば、「はい」や「ええ」という相づちは、話の間にタイミングよく使うのは効果的ですが、「はい、はい、はい」と連続で言ったり、いつも「はい」しか使わなかったりすると、相手の話を馬鹿にしているような印象を与えかねません。真剣に話を聞いていないのではないかと、相手を不安にさせてしまうこともあります。

 また、相づちのバリエーションとして使いがちなのが、「なるほど」という言葉。相手の話に納得する場合に使う表現ですが、上から目線の表現なので、目上の人に使うと失礼にあたることもあります。「そういうことですね」というひと言も、相手の話をひとまとめにしてしまう表現で、相手を不快にさせてしまうことがあります。「おっしゃる通りです」「そうなんですね」などいくつかの言葉を覚えて使い分けるようにしましょう。また、同じ言葉でも、了承したことを伝える時はやや強く、共感を示すときは余韻を残すなど、声色や抑揚で表現を増やすのも有効なテクニックです。

【軽い世間話ができると好感度アップ】
 ビジネスの電話では、基本的に用件のみを話すことが多いですが、会話の流れから軽い世間話を振られることもあります。ビジネスという場だということを踏まえて、空気を悪くせず、心地よい距離感で会話ができれば好感を持ってもらいやすくなります。電話応対に慣れてきたら、さらに習得したいテクニックです。

 会話では、プライベートなことを聞きすぎない、相手の話をよく聞く、短く切り上げる、の3つが大切です。話題によっては、相手が答えづらかったり、不快な思いをすることがあるので、季節、天気、趣味、出身地、ニュース、旅、食事など、無難なテーマを選びましょう。「最近、忙しいですか」など労うような一言を添えるのもおすすめです。

 立場によって意見がさまざまでぶつかることがあるテーマ(政治や思想、人の悪口、具体的な私生活、容姿や年齢についてなど)は、世間話では避けるようにします。逆に相手にそのような話題を振られたときには、あまり具体的に話さず、さりげなく避けるようにしましょう。

電話とメールをうまく使い分けよう

 電話は直接相手と話せるので、すぐに連絡をとりたいときや、相手の気持ちを直に確認したいときなどに便利です。それに対して、メールは場所や時間を選ばずに情報を共有できるツールとして、ビジネスでは今や必須の連絡手段となっています。

 電話とメールはどちらが上ということはなく、相手の働き方や、タイミングに応じてうまく使い分けられるようになるのが大切です。

 例えば、何かを念のために確認する場合、急ぎではないのに電話をかけると、相手の時間を奪ってしまいかえって迷惑になることもあるのでメールのほうが適しています。

 逆に、急いで確認すべき場合、メールでは返事をもらうまでに時間がかかったり、文面だけでは真意がわからずにモヤモヤした気持ちになるということもあります。

 メールの利点は、(1)相手の都合のよい時間に対応してもらえること、(2)口頭では複雑になる説明を文章でわかりやすく伝えられること、(3)記録として残せるので言った言わないというトラブルが起こりづらいということです。

 ただし、無機質な文面になると相手に冷たい印象を与えてしまうので注意が必要。このように利点と欠点を意識して使うことで、ビジネスの効率がよくなり、相手に安心感を与えることができます。タイミングやわかりやすさを考慮して使い分けましょう。

北條久美子(ホウジョウクミコ)
東京外国語大学卒。ウェディング司会、研修講師を経て、2007年エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年キャリアカウンセラー資格を取得し独立。現在は多数の企業や大学などで年間約2500人のマナーやコミュニケーション、キャリアのセミナーを行う人財育成のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『図解 仕事の基本 社会人1年生大全』(講談社)など多数。

北條久美子(人財育成コンサルタント)/イメージ画像:Shutterstock/イラスト:ひらのんさ

Fun-Life!
2024年3月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新星出版社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

株式会社新星出版社のご案内

生活実用書、語学入門書、ビジネス実用書、児童書、各種資格試験問題集などを出版している。2023年10月に創業100周年を迎える老舗実用書出版社。2020年より、生活に役立つ情報をお届けするWEBマガジン、Fun-Life!を運営中。