【話題の本】『１０３歳、名言だらけ。なーんちゃって』石井哲代・中国新聞社著

■ご機嫌に老いるこつ

　いつか訪れる「ひとり老後」に備え、勇気をくれる高齢女性のライフスタイル本が好調だ。本書もその一冊。笑顔がチャーミングな「哲代おばあちゃん」こと、石井哲代さんの暮らしぶりをまとめたベストセラー『１０２歳、一人暮らし。』（昨年１月刊）の続編となる。

　石井さんは広島県に住む元教員。子供がおらず、平成１５年に夫を亡くし、親戚やご近所に支えられながら一人暮らしを続けている。１００歳を過ぎても元気な姿が中国新聞に連載されて話題を呼び、出版につながった。「日記を読み返すと（１００歳のときに比べ）すっかり行動範囲が狭うなってしもうて。３年で起きた自分の変化をまざまざと見せられる」ものの、「これができた、あれもできたって、一つ一つに大喜びしながら自分を盛り上げ」ているそうだ。

　版元によると、１作目はこれまでに１１刷計１７万５０００部を発行。今年３月刊行の本作もすでに３刷４万部、シリーズ累計では２１万５０００部に上る。「ご機嫌に老いるこつがたくさん書かれているので〝人生１００年時代の参考書〟として読んでくださっているのではないか」と担当者。読者は６０歳以上の女性が中心で、離れて暮らす親へのプレゼントとしても好評だそう。（文芸春秋・１４３０円）

寺田理恵