タイトルの「コタカさん」とは大妻学院の創立者、大妻コタカのこと。明治17年、広島の草深い寒村で生まれたコタカは、同41年に24歳で裁縫と手芸の私塾を開いた。彼女は生徒たちに「手まめ、足まめ、耳まめ、目まめな人になりましょう。しかし、口まめだけは慎みましょう」と繰り返し述べ、大正6年には校訓「恥を知れ」を制定した。
物質文明に流されず、すべての財産を学校に寄付し、寮の部屋に暮らして生涯を終えたコタカの人生を、大妻学院の出身で彼女の訓話に触れたことのある著者が敬愛の念をこめて描く。(ワック・1300円+税)
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2016年5月15日 掲載
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