知られざる内面に迫る 『孔子』加地伸行著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

孔子

『孔子』

著者
加地 伸行 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
歴史・地理/伝記
ISBN
9784044000455
発売日
2016/04/23
価格
1,056円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

知られざる内面に迫る 『孔子』加地伸行著

[レビュアー] 産経新聞社

 中国の哲学者、孔子(紀元前551~同479年)の知られざる内面に迫る異色の評伝だ。「儒家の始祖」と崇(あが)め奉られてきた聖人も、実は生涯を通じ「他人から認められたい」と苦悶(くもん)していた-。人間臭い部分に光をあてた点が新鮮で面白い。

 魯国で首相格の地位を手にした孔子は、その地位をいかにしてたぐり寄せたのか、その後は政敵をどう排除し、老いて忍び寄る死とはどう向き合ったのか-。孔子研究の泰斗である著者が32年前の著書を底本に大幅に加筆・修補を加えた。現代を生きる私たちにもそのまま参考にできる内容だ。(角川ソフィア文庫・960円+税)

産経新聞
2016年5月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク