【聞きたい。】和田靜香さん 『スー女のみかた 相撲ってなんて面白い!』

インタビュー

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【聞きたい。】和田靜香さん 『スー女のみかた 相撲ってなんて面白い!』


和田靜香さん

 ■力士に萌え萌えしながら

 本業は音楽ライターである。湯川れい子さんの下で修業を積み、数々のロックスターを取材してきた。そんな和田さんが上気した顔で「キース・リチャーズより(力士の)高安のほうがずっと色っぽい」とのたまう。

 思わず「あの毛むくじゃらの!」と返すと、「高安の体は《オレを見ろ!》と誘惑を仕掛けてくるよう。常に裸をさらすことで生まれる色香が全身から匂い立っている。テディベアに似せた高安のぬいぐるみを作ったらきっと売れると思うんだけど。相撲協会さん、考えてくれないかな」と和田さん。かように男と女の相撲を見る目はまったく異なるのだ。

 見るだけでは飽きたらない和田さんは、若翔洋の指導まで受けて北海道福島町で開かれている女相撲大会に和田翔龍のしこ名で出場、押し出しで1勝をあげる。その顛末(てんまつ)はぜひ本書でお読みいただきたい。

 和田さんに相撲愛の種がまかれたのは幼児のころ。なんと明武谷に抱っこされたことがあるというのだ。ソップ型の代表でつり出しの得意な力士だった。

 「そのときにまかれた種が開花するのに40年近くもかかったけどね」

 開花したのは13年前。和田さんは人生のどん底にいた。目が覚めると「今日も起きてしまった。死にたい」と口にし、布団から出ることもできなかった。そんなときに相撲ファンの友人から「どうせ家にいるのならテレビで相撲でも見れば」と勧められた。そこで出会ったのが朝青龍だった。「パンパンに張ったゴムまりのような肉体が仕切りの間に上気してゆく。もう目がくぎ付け」。そこからは「電車道」である。

 「私はひたすらミーハーで生きてきて、音楽にしても、好きなアーティストに萌(も)え萌えしながら、追いかけてゆくという実にしょうもない人生を送り、行き着いた先が相撲だったという感じです」(シンコーミュージック・エンタテイメント・1400円+税)

 桑原聡

  ◇

【プロフィル】和田靜香

 わだ・しずか 昭和40年、千葉県生まれ。著書に『音楽に恋をして♪ 評伝・湯川れい子』『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』『東京ロック・バー物語』など。

産経新聞
2017年5月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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