昭和18年7月、米軍が包囲するアリューシャン列島のキスカ島から、陸海軍5200人が極秘撤退し、米軍に「パーフェクトゲーム」と言わしめた作戦。その指揮をとった海軍の木村昌福(まさとみ)少将(当時)の生涯をたどり、手に汗握る撤退作戦、人道を貫いた指揮を通じ、リーダーの器、そのあり方に迫る。
10年前に刊行され、今回の文庫化では木村とともに撤退作戦の成功を導いた陸軍の樋口季一郎中将についてもあとがきで追記。「語り継ぐべき二人の男」とたたえている。
往時に思いをはせる戦後74年の夏も近い。(将口泰浩著、光人社NF文庫・800円+税)
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2019年7月7日 掲載
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