『学びを結果に変えるアウトプット大全』
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記憶として定着させるためにインプットよりもアウトプット
[レビュアー] 田中大輔(某社書店営業)
トーハン、日販が2019年の年間ベストセラーを発表した。ビジネス書では、どちらも1位が『メモの魔力』(前田裕二著、幻冬舎)、2位が『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著、日経BP)、3位が『学びを結果に変えるアウトプット大全』であった。上半期のランキングも同様だったので、今年もロングセラーが多かったと言えるだろう。1位と2位は以前に紹介したので、今回は3位の本をとりあげようと思う。
本書は18年8月に発売された本だ。同年のベストセラーランキングでも9位に入っている。発行部数は45万部を突破した。圧倒的に結果を出し続けている人は、インプットよりもアウトプットを重視しているということで、80のアウトプット術を紹介した本だ。
インプットは脳の中に情報を入れる、つまり「入力」すること。アウトプットは脳の中に入ってきた情報を脳の中で処理し、外界に「出力」することだ。具体的には「読む」、「聞く」がインプットで、「話す」、「書く」がアウトプットになる。
月10冊読んで1冊もアウトプットしない人よりも、3冊読んで3冊アウトプットする人の方が成長は早いという。自己成長はアウトプットの量に比例するというのだ。インプットとアウトプットの黄金比は3対7で、インプットの倍以上の時間をアウトプットに割くべきだという。また2週間に3回以上アウトプットすると、情報を記憶として定着させられるそうだ。
アウトプットが苦手という人は、まず「話す」ことから始めるといい。読んだこと、聞いたこと、自分が体験したことを人に話す。これも立派なアウトプットである。また話すときはポジティブな言葉を多く用いるとよいそうだ。「書く」トレーニングになるのは日記だ。質や量にこだわることなく、毎日書くことが大事だという。このときもポジティブな表現を使うとよい。SNSやブログで情報発信するのもよいだろう。
本書のアウトプット術を実行すれば、あなたの魅力や能力が多くの人に伝わり、より楽しい人生を歩めるはずだ。