グラフィックデザイナーで、居酒屋探訪でも知られる著者が、テーマを掲げて各地の居酒屋をめぐる。隅田川に沿って並ぶ名店を訪ねる回では、東京三大煮込みや肉豆腐に酎ハイをツイーとやり、「心のよりどころ」を実感。
山本周五郎文学の世界・浦安や、椎名誠文学の故郷・幕張、小岩を歩いてはビールをングングング…「居酒屋こそわが友だ」。歌謡曲の現場を訪ね、夜は一杯−とくりだした大阪では、熱い大衆歌謡論も飛び出す。
14年前に刊行された文庫の復刊。コロナ禍でまだ油断はならぬが、ふらりとのれんをくぐりたくなった。(太田和彦著、河出文庫・890円+税)
-
2020年6月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです