「長篇小説『さのよいよい』を読んで、その感想や読後感をマンガで描いてもらえませんか?」
新潮社「波」編集部のこんな依頼に漫画家のほしよりこさんが応え、描いたのは主人公「わたし」(秋吉)のフィアンセ(のちに「元嫁」)から眺めた「アナーザー・ストーリー」でした。
『さのよいよい』は家族の守り神のような存在だった寺で起きた放火殺人事件の謎を追ううち、当事者や関係者の秘密が炙り出され、脚本家として自立しきれていない「わたし」も否応もなく自分自身と向き合うことになる……といった可笑しくも切ないストーリーです。
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2021年1月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです