自信がつき、仕事や人間関係がうまくいく。いい声をつくる体の使い方

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話し方に自信がもてる声の磨き方

『話し方に自信がもてる声の磨き方』

著者
村松 由美子 [著]
出版社
かんき出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784761275655
発売日
2021/09/06
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

自信がつき、仕事や人間関係がうまくいく。いい声をつくる体の使い方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

声を磨くと、自分に自信がつき、表現力が上がることで、聞き手の心を揺さぶることができるんです。 それが、「感動ヴォイス」。

「感動ヴォイス」とは、あなたが本来もっている「本当の声」のことをいいます。

(中略) 自分の「本当の声」が出るようになると、性格が前向きになるのはもちろん、自然に周りの人から信頼されるようになります。そして、面白いくらい仕事や人間関係がうまくいくようになります。(「はじめに」より)

話し方に自信がもてる声の磨き方』(村松由美子 著、かんき出版)の著者はこう主張しています。それは、企業研修講師やセミナー講師、伝え方コンサルタントとして活動してきた結果として得た結論なのだとか。

人生の7割を声の研究に費やし、これまでにのべ4万人の人々の「本当の声」を引き出してきたのだそうです。

本書で紹介されているのは、「感動ヴォイス」を手に入れるための体の使い方。「姿勢を変える」「呼吸の仕方を変える」「筋肉の使い方を変える」、たったそれだけのことで、本当の声を出せるようになるというのです。

実は、本当の声を出せるようになると、聞く人の反応のみならず、あなた自身が変わります。

あなたの声を毎日聞き、あなたの声の影響をもっとも受けるのは、あなた自身だからです。(「はじめに」より)

きょうは第3章「『感動ヴォイス』を手に入れる 基本の発声」のなかから、基本的な考え方を確認してみたいと思います。

「感動ヴォイス」の基本はバイブレーション

著者によれば、“よく通るいい声”のポイントは「響き」。響きが出せるようになると、瞬く間にその場の空気をつかみ、聞き手の心を揺さぶることができるようになるというのです。

声は空気の振動、バイブレーションです。 声が響くというのは、発声者の豊かな呼吸によって、空気が揺さぶられているということです。

つまり、よく響く声とは、呼吸によって空気をよく震わせるための強いエネルギーがあるということ。 このエネルギーに圧されて、人は心を揺さぶられます。(74〜75ページより)

逆にいえば、弱々しい声から生み出されるバイブレーションは小さいということ。そのため聞く人は、エネルギーを感じることができないわけです。

したがって、聞く人の心を揺さぶる“いい声”になるためには、まずは大きなバイブレーションを起こせる声になることが大前提。だからこそ著者は、声は自己発電できるエンジンだと思っているのだそうです。

感動ヴォイスが習慣化できれば、話をするたびに豊かな呼吸を行い、使うべき筋肉を使い、必要のない部分はリラックスさせて大きなバイブレーションを起こすことができる。(75ページより)

だから、まさにエンジンそのものだということです。(74ページより)

全身に響かせるからバイブレーションが起こる

では、どうすれば声で大きなバイブレーションを起こせるようになるのでしょうか?

この問いに対して著者は、体の使い方を「赤ちゃんの状態」に戻せばいいと答えています。赤ちゃんのように心も身体もリラックスすることで、おのずと響く声が出るようになるということ。そして、そうやって発した声が、声帯付近だけでなく全身に響くようになるというのです。

そもそも、声は声帯だけで出すわけではなく、全身で出すもの。簡単にいえば、人は次の4段階で声を発しているわけです。

① 「腹筋」で「横隔膜」を動かすことで、「肺」を圧して息を吐く

② 吐く息で「声帯」を振動させる

③ 声帯の振動が、「喉・口・鼻の空間」に響いて声になる

④ 声に「舌・唇・歯」などで変化を加えて言葉にする

(77ページより)

「発声」と聞くと声帯や喉ばかりを意識してしまいがちですが、実は上記「 」内の器官はすべて使っているということ。声にその日の体調や精神状態などのすべてが反映されるのは、声がこれらの器官の状態を反映するから。

しかもこれらの部位だけが発生に関係しているわけではなく、たとえば目のまわりの表情筋も、発声のもとになる呼吸と密接につながっているのだそう。

ちょっと実験してみましょう。あなたもやってみてください。

まず、吸って吐く、通常通りの呼吸をしながら、目をだんだん大きく見開いていきます。そして、ゆっくりと元に戻してください。

目を見開いたとき、戻したとき、それぞれ呼吸はどうなっていますか。

吸っていますか? 吐いていますか?

目を見開いたときは「吸う」、戻していくときは「吐く」になったはずです。その逆は難しくてなかなかできません。(78〜79ページより)

これは、表情筋と肺の下にある横隔膜がつながっているから。そのため、表情を変えるだけで呼吸の深さも変わり、出る声がまったく違ってくるということのようです。

つまり、これらの器官をすべて柔軟に使えるようになれば、よく響く声が出るようになります。(76ページより)

ここから先は「感動ヴォイス」を手に入れるためのエクササイズがイラスト入りでわかりやすく解説されていきます。自分の声に自信を持ちたい方は、参考にしてみれば多くの気づきを得ることができるかもしれません。

Source: かんき出版

メディアジーン lifehacker
2021年9月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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