『父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス』ロドリゴ・ガルシア著、旦敬介訳

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父ガルシア=マルケスの思い出

『父ガルシア=マルケスの思い出』

著者
ロドリゴ・ガルシア [著]/旦 敬介 [訳]
出版社
中央公論新社
ジャンル
文学/外国文学、その他
ISBN
9784120054839
発売日
2021/12/09
価格
2,200円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス』ロドリゴ・ガルシア著、旦敬介訳

[レビュアー] 産経新聞社

ラテンアメリカの枠を超えて20世紀文学を代表する存在となったノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケス(1927~2014年)。米国で映画監督になった長男が、巨大な作家である父との思い出をつづっている。

有名作家の葛藤が伝わる挿話が多い。代表作『百年の孤独』の執筆時、小説が長く退屈になるのを避けるために下したある決断。自身の文学的成功への疑念…。認知症を患った晩年の「記憶こそが僕の道具で、僕の原材料なんだ。それがなかったら仕事ができない」という一言は痛切だ。客観的視点と繊細な筆致が溶け合う秀逸な回想録。(中央公論新社・2200円)

産経新聞
2021年12月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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