ルーティンワークは本当につまらない?無理せず先延ばしをやめる「朝の習慣」

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先延ばしをなくす朝の習慣 コツコツ書き続けて日本一になった書評家が、絶対に締切を破らないためにやっていること

『先延ばしをなくす朝の習慣 コツコツ書き続けて日本一になった書評家が、絶対に締切を破らないためにやっていること』

著者
印南敦史 [著]
出版社
秀和システム
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784798068480
発売日
2023/03/11
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ルーティンワークは本当につまらない?無理せず先延ばしをやめる「朝の習慣」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

やらなければいけないことがたくさんあるのに、やらなければ前に進めないのに、ついつい先延ばししたくなってしまうーーそんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? ましてや新たな週が始まる月曜日となると、余計モチベーションが上がりにくいかもしれません。

そこでご紹介したいのが、僕の新刊『先延ばしをなくす朝の習慣』(印南敦史 著、秀和システム)。タイトルかわもかかるとおり、先延ばしせず、やるべきことはなるべく午前中のうちにさっさと片づけてしまおうとご提案している一冊です。

過去にも触れてきたことがありますが、僕は文章でお金をいただくようになってから30年以上経ちます。また、「ライフハッカー・ジャパン」に書いてきた書評を集めた前著『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』でも書いたとおり、この10年間は平日に毎日コツコツと書評を書き続けています。

したがって、毎日締め切りがあるわけです。モチベーションが上がっているか下がっているかの問題ではなく、「やらなければならない」状況と向き合い続け、それをクリアしているということ。

気乗りしないことももちろんありますけれど、それを「なんとかする」ことも重要な仕事だと考えているのです。

そしてこれはすべての職種にあてはまることでもあります。たまたま僕が文筆業で身を立てているだけの話で、どんな仕事にも同じことがいえるのです。

だからきっと、僕の体験は「先延ばししてしまう」ことで悩んでいる方の役に立つはず。それが、本書を書きたいと思ったきっかけです。(「はじめに」より)

きょうはそんな本書の第1章「『先延ばし』の“最大の敵”を朝イチで倒そう」のなかから、いくつかのトピックスを抜き出してみたいと思います。

きのうと同じことをきょうも続ける

仕事について語る際には、「新しい刺激を見つけ、アクティブに仕事する」ことの重要性が強調される場合があります。たしかに刺激に満ちていれば、新鮮な気持ちで仕事に臨むことができるでしょう。

とはいえ現実的に、仕事の大半は“同じことの繰り返し”でもあります。毎日やらねばならないルーティンワークがあり、それらのすき間にときどき“新しい仕事”がはさみ込まれるというようなイメージかもしれません。

だから、「つまらないなぁ」とネガティブな気持ちになってしまいがちなのでしょう。しかし、じつはここにとても重要なことが隠されているとも僕は感じています。あまり話題にされることはないようにも思うのですが、「きのうと同じことをきょうも続ける」ことにはとても大きな意味があるということ。

「いやいや、同じことを続けるなんてつまらないじゃん」と思われるかもしれませんね。

でも大切なのは、「同じことを続けるのは、本当につまらないことなのだろうか?」と疑問を持ってみること。

そうやって別の角度から見てみれば、ずっと気づいていなかったヒントに気づく可能性があるのです。そして、思った以上にしっくりきたりするものなのです。(18ページより)

仮に、毎朝必ずやらなければならない仕事が3つあったとしましょう。

「やらなければならない」のであれば、やらない限り前へは進めせん。だから「つらいなあ」「面倒だなあ」という気分になってしまうのですが、そこで逆の発想をするのです。

「ひとつ終わらせれば、次に進める。ふたつ終わらせれば、さらに進める」というように。

「やらなければならないから(仕方なく)やる」としても、「その先につながるからやる」としても行き着く結果は同じです。ただし、そこに至るまでの過程として間違いなく前向きなのは後者であるはず。

しかも前向きな気持ちで仕事に臨めるのであれば、「こんな当たり前のこと、いつまでもやりたくないよなぁ」と思いながらこなすよりも、はるかによい結果につながる可能性が大いにあります。

当たり前すぎることだからこそ、そのことを意識する機会は意外に少ないものです。

しかし、そこであえて視点を変えてみれば、いままでつらかった「先延ばししたくなるものごと」も、また違って見えてくるものなのです。(19ページより)

たとえば、この記事を読み終えたあとに「やらなければならない、いつもの仕事」が控えているという方もいらっしゃることでしょう。だとすれば、それは面倒だろうなと思います。

でも大切なのは、そこで「やりたくない……」とネガティブにならず、「いやなんだから、やってクリアするべきじゃん」と考えて臨んでみること。考え方の違いではありますが、それはとても大切なことだと思うのです。

事実、僕も毎日そう考えながらこの連載に臨んでいます。(17ページより)

先延ばしは「1時間の早起き」でなくなる

僕は通常、6時半ごろに起床して日々の雑事をこなしたあと、午前9時台から仕事を始めます。しかも多くの場合、「毎日やっている最初の仕事」はこの「毎日書評」の執筆です。

日によってばらつきはあるものの、9時前後から(書評で取り上げるべき)本を読み、原稿の構成を考え、文章に落とし込んでいるのです。

でも、たまたま普段よりも1時間早起きした朝などにはちょっとした変化が生じます。早起きすれば仕事のスタート時刻も早まりますから、時間を得したような気持ちになり、必然的にモチベーションも高まるのです。その心地よさを知っているので、少しでも早く起きようと毎日考え、トライしています(なかなかうまくいきませんが)。

いつもより早起きしたとしたら、そのぶん使える時間は増えることになります。たとえば1時間早く起きたなら、使える時間が1時間増えるわけです。

つまり、いつものルーティンも1時間前からスタートできるので、仕事を始める時刻も早まります。小学生の計算問題のように単純な話ですが、これがなかなかばかにできないのです。たまたま早く起きたのだとしても、計画的に早く起きたのだとしても、その効果は絶大なのですから。(26ページより)

もちろんこれは、僕のように家で仕事をしている人間だけではなく、毎日通勤している方など、あらゆるビジネスパーソンにあてはまる話です。

たとえば1時間早く出社できれば、使える時間が1時間増えることになるのですから。その結果として物理的に時間が増えるので、あとはそれを活用すればいいのです。

ですから“お試し段階”として一度、「たまたま早く起きてみる」ことをおすすめします。実際にやってみれば、その快適性にきっと気づくことでしょう。そしてそれを実感できれば、習慣化できる可能性も高まっていくはずです。

大切なのは、朝早く起きて、早い時間からいい気分で仕事を始めること。あくまで「いい気分」で仕事に臨むことが重要なのであり、結果的にそれが成果につながるのです。(34ページより)

いいかたを変えれば、「1時間の早起き」をしてみれば純粋に「いい気分」になれるということ。そうすれば、やがて「先延ばし」から逃れられるようになるはず。体験的に、僕はそう感じているわけです。(25ページより)

冒頭で触れたとおり、本書の根底にあるのは「毎日コツコツ続けてきた」という僕自身の体験です。しかもそれは難しいことではなく、ちょっと考え方を変え、従来とは異なる習慣をみにつけるだけで簡単にクリアできることでもあります。

だからこそ、もし「つい先送りしてしまう……」と悩んでいらっしゃるのなら、ぜひとも本書を参考にしていただきたいと思います。

Source: 秀和システム

メディアジーン lifehacker
2023年3月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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