『給食が教えてくれたこと』松丸奨(すすむ)著
[レビュアー] 産経新聞社
給食が嫌いだったのに学校栄養士になった著者の半生。小学校の給食で1食に使える材料費は300円以内とか。新人の頃は天候不順で急騰する野菜の値段を心配し、朝6時に学校へ届けに来る八百屋さんを待ち受けて値動きを聴取した。職務ではないが、児童が喜んで食べる献立を作りたいとの思いがあった。街のラーメン店に負けないスープを作ろうとスパイみたいに行動したり、伝統野菜を入手するため農家に手伝いを申し入れたりと熱血営業マンのよう。
平成25年には学校栄養職員らが競う「全国学校給食甲子園」を男性で初めて制した。そのレシピも披露する。(くもん出版・1540円)