ムーミンを生み、平和な中立国というイメージのあるフィンランドが、軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟して話題になった。だが著者は、同国がNATOと長年の協力関係にあり、国民の国防意識は高いと指摘する。
第二次大戦でソ連に侵略された同国は、1300キロもの陸上国境で接するロシアに軍事面で備えをしてきた。徴兵制があり、人口わずか550万人ながら戦時には28万人の兵力を動員できる。砲兵部隊は欧州最強という。昨夏、同国の大学で在外研究を行った著者の研究報告。日本が同国に学ぶべきものは何かを問う。(扶桑社新書・968円)
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2023年9月24日 掲載
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