失敗しない副業を選ぶ3つのステップ〜自分のスキルを活かす「スキルエンサー副業」がうまくいく!

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やりたいことは「副業」で実現しなさい

『やりたいことは「副業」で実現しなさい』

著者
下釜 創 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784478115329
発売日
2023/09/28
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

失敗しない副業を選ぶ3つのステップ〜自分のスキルを活かす「スキルエンサー副業」がうまくいく!

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

現在の日本では副業に対する関心が高まっており、実際に本業以外の仕事を始めている方も増えているようです。働き方改革やコロナ禍の影響もあり、副業解禁に踏み切る企業が増えたことも追い風となっているのでしょう。

とはいえ、興味があったとしても「どうやって始めたらいいのかわからない」、あるいは「副業を見切りスタートしてみたものの、なかなかうまくいかない」といった悩みを抱えている方も少なくないはず。

そこで、そうしたさまざまな“副業を目指す人”に向け、“一生後悔しない副業の始め方、選び方、続け方”を紹介しているのが『やりたいことは「副業」で実現しなさい』(下釜 創 著、ダイヤモンド社)。著者は「副業家」育成コーチとして、多くの人々を支援して来た実績の持ち主です。

ただしここでは、ネットワークビジネス、FXや仮想通貨などへの投資、Uber Eatsのような宅配・配送業、ユーチューバー、アフィリエイトなどの副業への参入を提唱しているわけではありません。なぜなら、お金を得ることだけを目的としたそれらは、副業として長続きしないから。

私が提案しているのは、お金や収入が得られるだけではなく、心のど真ん中が満たされる、本当にやりたいことを、やりがいを感じながら続けられる副業です。これは、世間で言われるような表面的なやりがいではなく、心の奥底から満足できるくらい深いやりがいを得られる副業です。

お金・収入×やりがい=長く続けられる副業の理想形なのです。(「はじめに」より)

さらにいえば著者は、数ある副業スタイルのなかから「スキルエンサー副業」を勧めています。それは、自分のなかにすでにあるスキル、眠っているスキルを活かした副業。そのため、誰にでも始められるわけです。

だとすれば、それがどんなものであるかについて詳しく知りたいところ。第4章「スキルエンサー副業が最強です」のなかから、基本的なポイントを抜き出してみましょう。

失敗しない副業の選び方

著者はここで、失敗しない副業を選ぶ3ステップを紹介しています。

(1) 好きなことを選ぶ(WILL)

(2) 得意なことを選ぶ(CAN)

(3) 需要・収益性があるものを選ぶ(WANT)

(109ページより)

まずは(1)。やりたいこと、やりがいがあることを選ぶべきなので、大切なのは「自分はなにが好きなのか」を最初に考えること。

やりたいことは、好きで夢中になれることであり、続けられるはず。そのため経験値も高まり、スキルアップにもつながりやすいわけです。つまりはそれが、副業選択の最初のステップ。

とはいえ、必ずしも「好き=得意」であるとは限りません。そこで副業にするためには(2)好きだけでなく、得意なものであるほうが有利であるわけです。ただし、好きで続けていれば得意になりますし、得意になれば、より好きになるという好循環も期待できるはず。

そして(3)。好き(WILL)×得意(CAN)だとしても、そこに需要(WANT)がなければ収益は上げられません。“需要(WANT)がないのに好き(WILL)×得意(CAN)”なものは、無料の趣味・ボランティアで追求すべきだということ。(108ページより)

副業では「差別化」を考える必要なし

著者によれば、副業で勘違いしやすいポイントのひとつが「差別化」を考えること。多くの方が、「他の人との違いを出さない限り、副業として成立しない」と考えてしまうわけです。しかし、副業では「差別化」を考える必要はないのだとか。それどころか、むしろ「差別化」を考えるのは、副業を成功に導くうえでの障害になりかねないというのです。

マーケティングの世界ではしばしば、「ブルーオーシャン戦略」と「レッドオーシャン戦略」ということばが用いられます。前者は競合相手の少ない成長市場(ブルーオーシャン)を見つけて注力する戦略であり、後者は相手が多くて乱開発された市場(レッドオーシャン)を避ける戦略。

会社が新たに事業を起こすのなら、当然ながらレッドオーシャンを避けてブルーオーシャンを目指すべきでしょう。ところが会社の新規事業と個人の副業では、事情がまったく違うのだとか。

副業でブルーオーシャンへ漕ぎ出したとしても、そこは新しい市場なので、十分な需要(WANT)があるとは限らないのです。どれだけ好き(WILL)×得意(CAN)であっても、そこに需要(WANT)がなければ継続性が低く収益化も難しくなります。そのため、将来的な独立・企業にはつながりにくくなってしまうということ。

副業は、前人未到の道なき道を歩むのではなく、誰かがとっくに切り開いて、ビジネスとして成り立っているマーケットで勝負すべき。その方が、成功する確率は上がります。(113ページより)

レッドオーシャンなら、市場が成熟して競争相手が大勢いるくらいなので、確実に需要(WANT)が存在しているもの。そこに好き(WILL)×得意(CAN)が組み合わさったら、(WILL)×得意(CAN)×需要(WANT)という理想の副業が成立するというのです。(112ページより)

はじめは真似でOK

自分の好き(WILL)×得意(CAN)なフィールドで、お手本になりそうな副業をしている人の事例を見つけたら、その人を“心の師匠”として勝手に弟子入りするつもりで、そのノウハウをみっちり学び、そっくりそのまま真似してみてください。(119ページより)

いうまでもなく、その“師匠”を見つけるべき場所はレッドオーシャン。新しい分野で成功者がまだ限られているブルーオーシャンではなく、これまで多くの成功者を輩出しているレッドオーシャンでなら、「真似してみたい」と思える“心の師匠”も見つけやすいということ。

先行して高いパフォーマンスを上げている企業や組織の成功事例を徹底的に学び、それを真似る(ベンチマークする)という手法は、ビジネスの世界ではすっかりおなじみ。

もちろんブルーオーシャンへと漕ぎ出す新ビジネスなら、やがて大きなイノベーションを生み出す可能性もあるでしょう。しかし副業なら、そこまで壮大なビジョンを抱く必要もないわけです。(116ページより)

先述した通り、著者がすすめる副業に特別なスキルや才能は不要。副業開始を阻むマインドセットさえ変えれば、いまある自分のままでスタートさせられるわけです。副業を通じて自己実現を果たし、人生をより豊かなものにするために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: ダイヤモンド社

メディアジーン lifehacker
2023年10月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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