営業の仕事がしんどい人へ。スムーズに人脈を広げる仕組みづくり3つのポイントは?

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ず~っとつながる紹介営業

『ず~っとつながる紹介営業』

著者
上實貴一 [著]
出版社
すばる舎
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784799111840
発売日
2024/01/24
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】営業の仕事がしんどい人へ。スムーズに人脈を広げる仕組みづくり3つのポイントは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

ず~っとつながる紹介営業』(上實貴一 著、すばる舎)は、「日々の営業(セールス)の仕事に果てしなさを感じている、営業担当者のための本」だそう。

同時に、「人とのコミュニケーションを取るのが苦手だったり、他人と会話するのが得意ではないと感じている営業担当者のための本」でもあるようです。

バックグラウンドにあるのは、自身がそういうタイプの営業担当者だったという事実。昔から緊張しやすい性格で、人と話すのが苦手。いまでいう「陰キャ」や「コミュ障」タイプだったというのです。

ところが現在では、全国の保険営業における上位0.01%しかTOT会員(Top of the Table=入会基準の6倍以上の成績を打ち立てた会員)の資格を得て、トップセールスとして活躍しているのだとか。

だからこそ、「どんなにコミュニケーションが苦手でも、どんなに会話が苦手でも、営業担当としてやっていくことは可能です」と断言できるわけです。

ちなみに、そんな営業になるための重要なポイントがあるようです。うまく「仕組み」をつくって「紹介ガラポン」を回せば、営業の仕事をストレスフリーで、労働負荷が小さい割に儲けが大きい、旨味のある仕事に変えられるというのです。

営業の仕事をしんどく感じるのは、効率が悪い仕事の仕方をしているせいです。

効率よく成約をゲットし、どんどん数字をつくれるのであれば、営業の仕事はまったくつらいものではなくなります。

成果報酬型の給与体系になっていることも多いので、効率よく成果を出せればストレートに年収も高くなりますし、自由な時間も増えます。

営業という仕事を、一生の仕事として楽しむ余裕も出てくるはずです。(「はじめに」より)

しかし、著者のいう「紹介ガラポン」とはどのようなものなのでしょうか? その点を確認するために、第1章「『紹介ガラポン』と3つの前提」に焦点を当ててみることにしましょう。

紹介を発生させる3つの前提

著者は本書の冒頭でまず、本書全体を通じた結論を明らかにしています。

「3つの前提」を満たした状態で、

紹介が生まれる「仕組み」を機能させれば、9割以上が成約につながる紹介が誰にでももたらされる。(18ページより)

つまりは「あの人を紹介したい」と思ってもらえる営業になることが重要だということ。しかし、だとすれば「3つの前提」について知りたいところでもあります。その点を確認してみましょう。

① For Youの精神を持っていること(誰かのために動ける人)

② 仕事の質が高い「仕事人(プロ)」であること

③ 紹介者の印象に残っていること

(34ページより)

紹介者に知人や友人を紹介される立場である営業担当者が、これらの要素を満たしていれば、紹介者は安心して紹介を行えるということ。

まず①は、信用上のリスクを伴う紹介という行為を、紹介者にしてもらうための必須条件。②は、本物の紹介を発生させるためには必須の「信頼関係」をつくるための前提。そして紹介を発生させるためには、紹介者が被紹介者のことを覚えていなければならないため、③も必須条件になるわけです。(33ページより)

回せば回すだけ成約が出てくる「紹介ガラポン」の仕組み

3つの前提が揃ったら「本物の紹介」を得る下地はできたも同然だといいますが、次に重要になってくるのは、「信頼関係→紹介→商談→再紹介」というサイクルの構築

この一連のサイクル(信頼関係→紹介→商談→再紹介)は、一度構築できれば、あなたが望む限り何度でも回すことができます。

サイクルが回るたびに新しい紹介が生まれ、そこから商談を経て、一定確率で成約が飛び出してきます。

その様子が商店街などでの懸賞イベントに使われる「ガラポン」に似ていることから、「紹介ガラポン」と名づけました。(49ページより)

前提を満たしたあと、最初に取り掛かるべきは「信頼構築」のステップ。「本物の紹介」をしてもらうには、紹介者と被紹介者の間に信頼関係が存在しなければなりません。そんな必須条件を、紹介者との間に築き上げるわけです。

この信頼関係は、最初期の段階では自分が今後ビジネスパートナーとして一緒に働いていきたい人、できれば以前から知っている人との間で築き始めるべきだといいます。理由は明快で、そういう相手との間には、最初からある程度の信頼関係が存在しているから。

同じ方向性で将来を語れるような気の置けない仲間とチームを組み、そこでの信頼関係をベースにして、お互いに自分の知人や友人、既存のお客さまなどを紹介し合うところから「紹介ガラポン」を回しはじめるのが、現実的なはじめ方と言えるでしょう。(51ページより)

そして継続的に紹介が発生しはじめたら、次は紹介された人や、その過程で成約したお客さまとも信頼関係を構築し、彼らにも紹介者になってもらえるように努力していくのです。

なお、新しく知り合った人と信頼関係を築くことは、思っているほど難しくないようです。

あなたともう1人の被紹介者は「はじめまして」の関係ですが、すでに共通して信頼関係を築いている紹介者の「お墨つき」な相手なので、お互いに変な人ではないと安心して接することができます。

たいていは紹介者自身もその場に立ち会い、最低限の紹介をして間を取り持ってもくれますから、いわゆる「友達の友達」に会うような気安さがあります。

紹介者との関係という共通の話題があるので、話しやすさもあります。(51〜52ページより)

つまり「その場限りの人間関係を新たに築く」のではなく、「信頼のおける人間関係の範囲を少しずつ広げていく」ということ。そのため、初対面の相手と接するときのように取り繕う必要はなし。本来の自分らしく振る舞うだけで、自動的に「質の高い名簿(人脈)」が増えていくわけです。(47ページより)

本書で紹介されているのは、著者が長期間にわたって試行錯誤を繰り返すことで物にしたメソッドの数々。自身の営業の仕事に取り入れてみれば、変化を実感できるかもしれません。

Source: すばる舎

メディアジーン lifehacker
2024年2月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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