ジェーン・スーが語る「女の甲冑」問題 “自撮りのときはキメ顔”“オーガニックは食べてる自分が好き”

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 6月4日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーでいま話題の大人女子2人のエッセイが紹介された。小泉今日子さん(50)の『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチパブリッシング)とジェーン・スーさん(43)の『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)の2冊だ。

■小泉今日子の秘密の恋

『黄色いマンション 黒い猫』は9年間の雑誌連載をまとめた自伝的エッセイ。黄色いマンションとは小泉さんが住んでいた原宿にあったマンションのこと。アイドル時代から住んでいた原宿に自身の半生を重ね、中学時代の友人、デビューのきっかけ、父と姉の死などが語られる。アイドル時代の秘密の恋も明かされ、今だから書けることが詰まった一冊だと紹介された。番組解説者で早稲田大学文学学術院准教授の市川真人さんは「いろんな人のことが詰まってて人を好きになれる本。そのへんの小説家よりはるかに文章が素晴らしい。いつか小説を書いてほしい」と評した。

■ジェーン・スーとは

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』は作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティーとしても知られるジェーン・スーさんのエッセイ。スーさんは女性誌などで連載を多数持ち、女性から圧倒的な支持を受けている。2年前に発売した『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)は10万部を突破する大ヒットとなっている。今作は都会で働く大人の女性に必要な“甲冑”に注目し、戦いを挑んでいる。「オーガニック」や「断捨離」「自撮り」「京都」「ヨガ」など女性を締めつける“甲冑”をスーさんが分析し、迷える女性の道しるべとなっている。

■揺れる女心

 番組では「ベランダ菜園」や「七分丈レギンス」「スカンツ」などをとりあげ、スーさんは「わかんないし、どうでもいいかと思うんだけど、わかっていたいという気持ちがある。甲冑は一度は身につけてみたい。身につけたうえで却下したい」と揺れる女性の心情を語った。そして男性にも読んでほしいと語り、男性にも「腕時計」などの甲冑があるだろうと例を挙げた。

■自己満足の甲冑

 スタジオではリポーターの鈴木あきえさん(29)が「面白いです。女性として生きてきて、いつこんなに甲冑をまとってしまったんだと、ひしひしとグサグサ刺さりましたね」と感銘を受けたようで、「自撮りのときにキメ顔をしてしまう」「オーガニックを食べている自分が好き」などの“甲冑”体験を話した。そして「かわいく見られたいと甲冑をまとっていたことに気づいて、要らない甲冑もあるんじゃないかと、整頓できたりもするんですよ」と同書を読んで、自己満足の甲冑を脱ごうと思ったと語った。

 また話題の実用書を実践する「ハウツーブックン」のコーナーでは「外ごはん」ブームを紹介し、『週末ごはんフェス (外でつくってたべるアイデアレシピ) 』うすい会[著](DU BOOKS)を読み、簡単で美味しいアイデアレシピを紹介した。

 ジェーン・スーさんは現在、新潮社の雑誌「波」に父親について書いたエッセイ「生きるとか死ぬとか父親とか」も連載をしている。そちらは本の総合サイト「Book Bang」に毎月5日に掲載され、ウェブ上でも読むことができる。https://www.bookbang.jp/janesu/

王様のブランチ」はTBSにて毎週土曜日9:30から放送中。

Book Bang編集部
2016年6月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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