『古代ローマ解剖図鑑』
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『古代ローマ解剖図鑑』本村凌二監修
[レビュアー] 読売新聞
「すべての道はローマに通ず」ということわざにもなっている古代ローマの街道は、砂利や石などを3層に分けて敷き詰めた丈夫な造りで、中央に厚みを持たせることで排水機能を有していたらしい。豆知識やイラストを交えて、ローマ建国神話から帝国滅亡までの1200年を分かりやすく解説した図鑑だ。
「へえ」の連続である。たとえば、古代ローマの上流階級の食事は、現代人と同じく1日3回だったが、マナーが一風変わっている。寝転がってコース料理を楽しみ、食事用ベッドが存在した。大人3人が横になれるサイズで、寝ながら食べやすいように親切にも傾斜がついていたという。食べかすのポイ捨ては問題なし。ゲップも歓迎されたとか。
監修を務めた本村凌二・東京大名誉教授は「知識を繋(つな)げて教養に結び付ける姿勢は、いつから始めても遅くない」と説く。図鑑から得るすべての知識は教養に通ず。(エクスナレッジ、1980円)(真)