『ファイナンスの哲学』
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『ファイナンスの哲学 資本主義の本質的な理解のための10大概念』
[レビュアー] 産経新聞社
「ファイナンス(金融)」というと、難解だと敬遠されがちだ。著者も面白さを見いだせなかったが、ある日「経済活動から人間的な側面や価値観を取り去ってしまったのが、今の金融なのではないか」と気付く。本書は金融を包含する資本主義社会と人間との関係を取り戻そうと試みた意欲作だ。
財務諸表など金融の基本をおさらいした上で、その元となるお金や信用、資本など10の概念について経済思想や人間存在との関わりを巧みにあぶり出す。そして、今の資本主義の限界を超え、あまねく幸福をもたらすにはどうすればいいかを強く問いかける。(堀内勉著/ダイヤモンド社・1900円+税)