【手帖】建築を知る図鑑、待望の日本版

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 人はなぜ建物を建てるのか-。温かみのある細密なイラストで建築史を学べる『世界の美しい名建築の図鑑』(パトリック・ディロン文、スティーヴン・ビースティー画、藤村奈緒美訳、エクスナレッジ・2800円+税)が刊行された。既に各国で翻訳出版されており、満を持しての日本版。

 はるか昔、洞窟から出た人間は、生活の拠点である家に始まり、橋や駅などのインフラ、工場やオフィスビルなど目的ごとに建物を生み出してきた。「建物は、単なるレンガや鋼鉄の集まりではありません。どの建物にも、大きさにかかわらず、つくった人の夢が込められている」と著者は説く。エジプトのピラミッド、ギリシャのパルテノン神殿などの古代建築から、中世フランスのノートルダム大聖堂、中国の紫禁城、インドのタージ・マハル…と進み、産業革命後の英国を象徴する水晶宮へ。さらに20世紀ドイツのバウハウス建築、米ニューヨークの摩天楼、豪シドニーのオペラハウスなどを経て、環境に配慮した21世紀の現代建築に至る。名建築に込められた人々の思いを、大河のような物語として描き出している。

産経新聞
2017年2月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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