台湾出身の直木賞作家・東山彰良が紹介する「リアルな台湾」[ゴロウ・デラックス]

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 稲垣吾郎さん(43)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」に4日、作家の東山彰良さん(48)が出演した。東山さんが故郷・台湾について語った。

■直木賞受賞作に続く青春ミステリー

 東山さんは2015年『流』(講談社)で第153回直木賞を受賞した。この日の課題図書は5月に発売された新刊『僕が殺した人と僕を殺した人』(文藝春秋)。『流』を経て誕生した物語だ。『流』は1970年代の台湾を舞台に、東山さんの父親をモデルとした物語。東山さん自身も台湾出身で、幼少期に日本に来たという。中国語で日常会話は問題ないという東山さんだが、小説を書くために必要な言葉の格調や雰囲気を感じ取ることはできないため、「自分の作品を自分で翻訳したらと言われるが絶対にできない」と語った。

 今作『僕が殺した人と僕を殺した人』は1984年の台湾を舞台に4人の少年たちが友情を育む様子が描かれる。しかし彼らの中のひとりが30年後、全米を震撼させた連続殺人鬼として逮捕される。殺人鬼は誰なのか?、いったい何故殺人鬼となってしまったのか。その謎を巡る青春ミステリーとなっている。

 1984年に13歳という主人公たちの設定は、1973年生まれの稲垣さんとあまり変わらない世代。しかし当時の台湾の様子が伝わるリアルな情景描写には「僕らの子供の頃とは環境がぜんぜん違う」と語り、さらに「匂いとか湿度とか浮かびますね」と描写の素晴らしさを絶賛していた。

■リアルな台湾文化が描かれる

 番組では作品に登場する台湾文化も紹介された。東山さんは台湾の町中でも中国大陸から渡ってきた人が住む地域と、もともとの台湾人が住む地域の違いを説明し、物語の背景を解説した。また作中に登場する牛肉麺(ニュウロウメン)や猪脚麺線(ジュージャオミェンシェン)、揚げパン、豆漿(トウジャン、温かい豆乳)なども紹介された。揚げパンについては「絶対美味しいから食べてとは言えない。ソウルフードなんで味は二の次」と言いながらも「食べたくなっちゃうんですよ」と懐かしの味について語った。

 また作品にはポエという占いで少年たちが「人を殺してもよいか」神様に伺うシーンがある。これは現代の台湾でも行われている占いで、スマホ世代の若者でもポエによって神様にお伺いを立てるということがあると東山さんは解説した。稲垣さんは「世の中のことは信じていない。大人の言うことも信じていないのに、これはちゃんと信じるんですね」と感心していた。

 番組最後に「収録を終えてもよいか」をポエで占った稲垣さん。2つの石を投げ、片方の平たい面が下を向き、片方が上を向く縁起の良い状態「シンポエ」を一発で出していた。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は8月17日。ゲストは岩下尚史さん。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年8月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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