瀬戸内寂聴が生まれ変わっても「女の」小説家になりたい理由 有働アナも共感

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 2月6日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『おらおらでひとりいぐも』が獲得した。
 第2位は『銀河鉄道の父』。第3位は『屍人荘の殺人』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『いのち』。95歳の瀬戸内寂聴さんの「最後の長編小説」と銘打たれた一作だ。物語は瀬戸内さん本人を思わせる大病から復帰した作家の心境からはじまる。老いと死を見つめながらこれまでの人生を振り返り、親友の女流作家たちの生き様と死に様が描かれる。登場するのは芥川賞作家でもある2人の女流作家、河野多惠子と大庭みな子だ。寂聴さんは9日のNHK総合の番組「あさイチ」に出演し、「二人は私が尊敬している友達。小説が上手い。その二人はライバル意識があって、会う度にお互いの悪口を言う。書いている時は『これを書いてやれ』と楽しかった。私は二人を尊敬してたから悪口にならない」と執筆は楽しかったと語った。

『いのち』の最後で寂聴さんは《あの世から生まれ変わっても、私はまた小説家でありたい。それも女の。》と書いている。番組で寂聴さんは「女の」とした理由について「女のほうが喜びも苦しみも、男性より深く感じるだけに生きがいがある」と解説した。これに対し番組キャスターの有働由美子さんも「45歳くらいまでは生まれ変わったら男になりたいと思っていた。でも今は女性の方が面白いかもと感じる。恋を失った時女性の方が色々深く傷つく。物語がある」と共感していた。

1位『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子[著](河出書房新社)

結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――(河出書房新社ウェブサイトより抜粋)

2位『銀河鉄道の父』門井慶喜[著](講談社)

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。(講談社ウェブサイトより)

3位『屍人荘の殺人』今村昌弘[著](東京創元社)

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、いわくつきの映画研究会の夏合宿に参加するため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研のメンバーたちと肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!! 究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り、謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作。(東京創元社ウェブサイトより)

4位『棲月 隠蔽捜査(7)』今野敏[著](新潮社)

5位『百年泥』石井遊佳[著](新潮社)

6位『掟上今日子の色見本』西尾維新[著](講談社)

7位『西郷どん! 並製版(上・中・下)』林真理子[著](KADOKAWA)

8位『いのち』瀬戸内寂聴[著](講談社)

9位『おもかげ』浅田次郎[著](毎日新聞出版)

10位『ふたご』藤崎彩織[著](文藝春秋)

〈単行本 文芸書ランキング 2月6日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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