『応仁の乱』著者の新刊 発売日4日で4万部の重版 またまた大ベストセラーの予兆

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 3月20日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』が獲得した。
 第2位は『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』。第3位は『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』となった。

 4位以下で注目は5位にランクインした『陰謀の日本中世史』。2016年に発売され、一大ブームを巻き起こした大ベストセラー『応仁の乱』(中央公論新社)の著者呉座勇一さんの新刊だ。今作は歴史上で有名な“陰謀”を取り上げながら、“陰謀論”の誤りを徹底的に論破した歴史入門書となっている。出版元のKADOKAWAは発売4日で4万部の重版を決めている。『応仁の乱』が40万部を超えていることから、本書にもさらなる期待が高まっている。
 現在KADOKAWAの文芸サイト「カドブン」では同書の「まえがき」と目次が公開されている。まえがきのなかで呉座さんは昨今の陰謀論が渦巻く状況に対し「陰謀論に引っかからないためにも、何が陰謀で何が陰謀でないかを見極める論理的思考力を身につける必要がある」と警告しながら、多くの陰謀論に共通する法則を導き出す必要がある、と同書の意義を語っている。
https://kadobun.jp/readings/191/be84e085

■新書 ノンフィクションランキング

1位『日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』磯田道史[著](中央公論新社)

西郷隆盛の性格は、書状からみえる。豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。司馬遼太郎と伝説の儒学者には奇縁があった――日本史にはたくさんの謎が潜んでいる。著者は全国各地で古文書を発見・解読し、真相へと分け入ってゆく。歴史の「本当の姿」は、古文書の中からしかみえてこない。小説や教科書ではわからない、日本史の面白さ、魅力がここにある!(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕[著](中央公論新社)

310万人に及ぶ日本人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏……。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』鴻上尚史[著](講談社)

太平洋戦争の末期に実施された”特別攻撃隊”。戦死を前提とする攻撃によって、若者たちが命を落としていった。だが、陸軍第一回の特攻から計9回の出撃をし、9回生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏は、戦後の日本を生き抜き2016年2月に亡くなった。鴻上尚史氏が生前の佐々木氏本人へインタビュー。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、軍では絶対である上官の命令に背き、命の尊厳を守りぬけたのか。我々も同じ状況になったとき、佐々木氏と同じことができるだろうか。戦後72年。実は本質的には日本社会は変わっていないのではないか。本当に特攻は志願だったのか、そして、なぜあんなにも賛美されたのか。命を消費する日本型組織から、一人の人間として抜け出す強さの源に迫る。(講談社ウェブサイトより)

4位『妻に捧げた1778話』眉村卓[著](新潮社)

5位『陰謀の日本中世史』呉座勇一[著](KADOKAWA)

6位『孤独のすすめ 人生後半の生き方』五木寛之[著](中央公論新社)

7位『中華思想を妄信する中国人と韓国人の悲劇』ケント・ギルバート[著](講談社)

8位『日本史のツボ』本郷和人[著](文藝春秋)

9位『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司[著](講談社)

10位『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎[著](光文社)

■新書 ノベルスランキング

1位『悲球伝』西尾維新[著](講談社)

2位『十津川警部 九州観光列車の罠』西村京太郎[著](集英社)

3位『十津川警部 日本遺産に消えた女』西村京太郎[著](徳間書店)

4位『僕のヒーローアカデミア(3) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

5位『キマイラ(13)堕天使変』夢枕獏[著](朝日新聞出版)

6位『大東亜大戦記(4)ソロモン大海戦!』羅門祐人[著]中岡潤一郎[著](経済界)

7位『西から来た死体 錦川鉄道殺人事件』西村京太郎[著](中央公論新社)

8位『旭日、遥かなり(8)』横山信義[著](中央公論新社)

9位『神さまのいうとおり』浅見茉莉[著](笠倉出版社)

10位『十二大戦対十二大戦』西尾維新 小説/中村光[画](集英社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 3月20日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年3月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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