伊坂幸太郎に朝井リョウ 文芸競作企画「螺旋」シリーズが刊行開始[文芸書ベストセラー]

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 4月9日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『転生したらスライムだった件(14)』が獲得した。
 第2位は『すぐ死ぬんだから』。第3位は『異世界のんびり農家(5)』となった。

 4位以下で注目は4位の『シーソーモンスター』。伊坂幸太郎さんの最新作だ。本作は中央公論新社の文芸誌「小説BOC」の競作企画「螺旋」プロジェクトのなかの一作。同プロジェクトは8人の作家が参加し、「海族」と「山族」の対立構造を古代から未来までの各時代ごとに描く企画。参加作家陣は朝井リョウさんや吉田篤弘さん、乾ルカさんら。企画はすでに終了しているが、参加作品が今後続々と刊行されてゆく予定だ。

 伊坂さんの『シーソーモンスター』に収録されている「シーソーモンスター」は昭和後期、「スピンモンスター」は近未来を舞台に「海」と「山」の争いが描かれている。

 同プロジェクトからは既に一冊目の単行本化作品が3月に刊行されている。平成の時代を舞台とした朝井さんの『死にがいを求めて生きているの』(中央公論新社)だ。同作について女優の南沢奈央さんは、誰とも比べなくていい時代の息苦しさが鮮やかに言語化されていると述べ、そのうえで提示される「答え」に《生きるエネルギーを受け取った。これからの時代を進む、光が見えた。》と評している。
https://www.bookbang.jp/minamisawanao/article/808

1位『転生したらスライムだった件(14)』伏瀬[著](マイクロマガジン社)

帝国からの侵略をなんなく退けたリムルは、これ以上戦争はごめんだと大本を叩くべく帝都へと乗り込む。事前の計画は帝国幹部へとのし上がっていたユウキが、国内でクーデターを起こし、皇帝の座を簒奪するてはずとなっていた。だがリムルは思い知らされる、先遣軍などとは比較にならない、帝国の真の戦力たちの実力を……。(マイクロマガジン社ウェブサイトより)

2位『すぐ死ぬんだから』内館牧子[著](講談社)

78歳の忍(おし)ハナは夫岩造と東京の麻布で営んでいた酒店を息子雪男に譲り、近所で隠居生活をしている。年を取ることは退化であり、人間60代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ、という信条を持つハナは美しさと若さを保っており、岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖の穏やかな男だ。雪男の妻由美には不満があるが、娘の苺や孫の雅彦やいづみにも囲まれて幸せな余生を過ごしているハナだったが、ある日岩造が倒れたところから、思わぬ人生の変転が待ち受けていた。人は加齢にどこまで抗えるのか。どうすれば品格のある老後を迎えられるのか。『終わった人』でサラリーマンの定年後の人生に光を当てた著者が放つ新「終活」小説!(講談社ウェブサイトより)

3位『異世界のんびり農家(5)』内藤騎之介[著](KADOKAWA)

天空の城から突然の宣戦布告…! 火楽と大樹の村にトラブル発生!? 大樹の村の上空に突然現れた空飛ぶ城、”太陽城” コウモリの羽を背につけた男が村を占拠したと宣戦布告を始めた… 火楽(ヒラク)はいつも通りに『万能農具』で攻撃、トラブルを収める。しかし、本当のトラブルはここからだった!? この”太陽城”を制圧するため、大樹の村の精鋭を集めて総攻撃を開始!! シリーズ累計50万部突破のスローライフ・農業ファンタジー 第5弾!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『シーソーモンスター』伊坂幸太郎[著](中央公論新社)

5位『心霊探偵八雲(11) 魂の代償』神永 学[著](KADOKAWA)

6位『ノースライト』横山秀夫[著](新潮社)

7位『麦本三歩の好きなもの』住野よる[著](幻冬舎)

8位『宝島』真藤順丈[著](講談社)

9位『鹿の王 水底の橋』上橋菜穂子[著](KADOKAWA)

10位『とめどなく囁く』桐野夏生[著](幻冬舎)

〈単行本 文芸書ランキング 4月9日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年4月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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