第49回高見順賞が決定 時里二郎『名井島』が受賞

文学賞・賞

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 第49回高見順賞が11日に発表され、時里二郎さんの詩集『名井島』(思潮社)が決まった。

 受賞作『名井島』は、用済みになった人形やアンドロイドが余生を送るサナトリウムの島を巡る物語世界を伝承的なスタイルで表現した詩集。

 著者の時里二郎さんは、1952年兵庫県生まれ。1991年に『星痕を巡る七つの異文』で富田砕花賞、1996年に『ジパング』で晩翠賞、2004年に『翅の伝記』で現代詩人賞を受賞。その他著書に『伝説』『胚種譚』『採訪記』『石目』がある。

 贈呈式は3月15日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで行われる。

「高見順賞」は、小説家・詩人として活躍した高見順の業績を讃え創設された文学賞。毎年12月1日から翌年11月30日までに刊行された作品を対象とし、優れた詩人に与えられる。第49回の選考委員は、天沢退二郎さん、高橋睦郎さん、小池昌代さん、伊藤比呂美さん、松浦寿輝さん4氏が務めた。

 昨年は、貞久秀紀さんの『具現』(思潮社)が受賞。過去には荒川洋治さんの『渡世』(第28回)、伊藤比呂美さんの『河原荒草』(第36回)、川上未映子さんの『水瓶』(第43回)などが受賞している。

Book Bang編集部
2019年1月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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