稲垣吾郎最大のタブー「SMAP解散騒動」に森達也が迫った[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(45)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に25日、ドキュメンタリー監督の森達也さんが出演した。タブーに次々と切り込む森さんは稲垣さんのタブー「SMAP解散騒動」にも迫った。

■真実は一つではない

 森さんはオウム真理教の内部を撮影した作品「A」やゴーストライター騒動で話題になった佐村河内守氏に密着した「FAKE」、またミゼットプロレスや放送禁止歌など、過激なテーマに挑み続けているドキュメンタリー監督。この日の課題図書『FAKEな平成史』(KADOKAWA)は作品の関係者へのインタビューとともに平成を振り返ったルポルタージュ作品だ。

 森さんの作品は一見「タブーを暴き真実が見えた」ように見えるが、森さんはその見方にも疑問を呈する。映画を見た観客の「真実を知りました」という声に対し、「この映画は僕が撮った真実です。もしもあなたが同じ時期に同じ場所で映画を撮ったとしたら、全く違う真実が撮れているはずです」と真実は人の視点によって変わるため、一つではないと述べている。また番組でも「どれが嘘か本当かと大騒ぎするが、どれも本当」と語り、テレビに出ている稲垣さんと自宅での稲垣さんの姿を例にあげ、「一人の人間ですらどこから見るかで全然変わる」と一面的なものの見方に警鐘を鳴らした。

「FAKE」で取り上げた佐村河内守氏とそれを取り巻く騒動についても触れ、「難聴ってグラデーションなんです。でもメディア的には1か0にしちゃう。詐欺師か全く聞こえていないか」と分析し、人々が興味をひくようにするための「大味な」打ち出し方は「世界を矮小化する」と批判した。

■稲垣吾郎のお尻も出てた

 平成の訪れとともに制作活動をスタートした森さんと、アイドル活動を始めた稲垣さん。番組ではお互いの活動を年表化し振り返った。

 1992年、森さんはプロレス番組からはカットされる存在だったミゼットプロレスをテレビ番組で取り上げた。また99年には放送が規制された「放送禁止歌」を取り上げた。そのどちらもテレビで取り上げることに誰からの規制もないのに、テレビ局の自粛や忖度により放送されていなかったのだ。なぜそのような判断が行われていたのかについて森さんは「(規制されていないのに)自分たちで仮想の圧力を作ってそれに縛られる。その方が楽なんですよ」と日和見的な考えのもと萎縮するメディアについて分析した。

 稲垣さんも自身の出演ドラマを振り返りながら、「僕が初めてやったドラマの中ではベッドシーンで普通に僕お尻とか出てました。今はあんまりないよね」と忖度と自粛が進むメディアの歴史を振り返った。

■稲垣吾郎のタブーに迫る

 森さんは稲垣さんのタブー「SMAP解散騒動」についても迫った。稲垣さんは様々な報道が駆け巡った当時を振り返り、「それによってファンの人とか応援してくれる人が心配したり」と心を痛めていたことを明かした。

 また現在の心境は「自由にやれるところもあったりもするかな。最近は僕も環境が変わって、仕事に関しては」と「新しい地図」での活動に言及。具体的には「曖昧なものをやれている。はっきり白か黒かだけではなく」「特に舞台では比較的テレビじゃ通らない企画も通りやすい」「今まで自分がやりたいけどちょっとできなかったような役とか作品とかすごく恵まれて」と満足気に語りながら、「すごい楽しいです」と笑顔で締めた。森さんも前回番組に出演したときと、稲垣さんの印象が大きく違い「6年前より自由に喋ってる」と今の活動にエールを送りながら、次回撮る劇映画には出演してほしいとオファーしていた。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は1月31日。ゲストは田中修治さん。課題図書は『破天荒フェニックス』(幻冬舎)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2019年1月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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