2019年本屋大賞は瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』に決定

文学賞・賞

14
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 全国の書店員が「今いちばん売りたい本」を選ぶ「2019年本屋大賞」の発表会が9日、東京都内で行われ、瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)が受賞した。瀬尾さんは本作で今年はじめてノミネート作に挙がり、大賞に輝いた。

 受賞作『そして、バトンは渡された』は、名字が4回変わり、父親が3人、母親が2人いる17歳の森宮優子の人生を描いた感動作。母親が亡くなり、父親が再婚し、再婚相手に引き取られ、同居する人も、名字も変わった優子を通して家族の形について問う複雑でやさしい物語だ。本作は2018年に第31回山本周五郎賞の候補作になっているほか、年末に発表される「ブランチBOOK大賞2018」で大賞を受賞し、紀伊國屋書店が発表しているランキング「キノベス!2019」でも第1位に選ばれている。

 瀬尾さんは1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業後、2011年に退職するまで中学校の先生として勤務する傍ら執筆活動を行う。2001年に「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年に『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を、2008年に『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を受賞する。他の作品に『図書館の神様』『優しい音楽』『温室デイズ』『僕の明日を照らして』『おしまいのデート』『僕らのごはんは明日で待ってる』『あと少し、もう少し』『春、戻る』などがある。

 その他、「翻訳小説部門」は、山田蘭さん翻訳のアンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件(上・下)』(東京創元社)が受賞、「発掘部門」は、神山裕右さんの『サスツルギの亡霊』(講談社)が「超発掘本!」に輝いた。

 本屋大賞は今年で16回目。2017年12月1日~2018年11月30日に刊行された日本のオリジナル小説を対象に実施され、全国の書店で働く書店員による投票で決める。今回は全国493書店、書店員623人の一次投票により、集計の結果、以下の10作がノミネートされた。

『愛なき世界』三浦しをん[著]中央公論新社
『ある男』平野啓一郎[著]文藝春秋
『さざなみのよる』木皿泉[著]河出書房新社
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著]文藝春秋
『熱帯』森見登美彦[著]文藝春秋
『ひと』小野寺史宜[著]祥伝社
『ひとつむぎの手』知念実希人[著]新潮社
『火のないところに煙は』芦沢央[著]新潮社
『フーガはユーガ』伊坂幸太郎[著]実業之日本社
『ベルリンは晴れているか』深緑野分[著]筑摩書房

Book Bang編集部
2019年4月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加