浅田次郎最新作は歴史小説版「逃げ切り世代 VS 貧乏くじ世代」

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 12月17日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』が獲得した。
 第2位は『大名倒産(上・下)』。第3位は『暗約領域 新宿鮫XI』となった。

 2位の『大名倒産』は浅田次郎さんの最新作。幕末の江戸を舞台に、借金まみれの小大名家を継いだ若殿がなんとか国を立て直そうと奮闘する物語。“逃げ切り世代”と借金を背負わされる子供世代の相克が描かれ、現代にも通じる物語だ。浅田さんはインタビューで江戸もいまも人間は変わらず、《いまの企業小説と置き換えてもらって、何の問題もありません》(オール讀物 2020年1月号より)と語っている。

1位『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』宮部みゆき[著](毎日新聞出版)

江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいき、次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する富次郎。おちかが聞き手だったころ、ふとした縁の導きがあって三島屋に入り、百物語の守り役となったお勝。富次郎が幼いころから三島屋に奉公してきた古参の女中、おしま。この三人で語り手を迎え、新たな変わり百物語の幕が開く。(毎日新聞出版ウェブサイトより)

2位『大名倒産(上・下)』浅田次郎[著](文藝春秋)

借金の積もり積もること二百年、御家を救う唯一の手立ては計画倒産!? 読めば福がやってくる! 笑いと涙の経済エンターテインメント。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『暗約領域 新宿鮫XI』大沢在昌[著](光文社)

信頼する上司・桃井が死に、恋人・晶と別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、孤独の中、捜査に没入していた。北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に新上司・阿坂景子は、単独捜査をやめ、新人刑事・矢崎と組むことを命じる。一方、国際的犯罪者・陸永昌は、友人の死を知って来日する。友人とは、ヤミ民泊で殺された男だった──。冒頭から一気に読者を引き込む展開、脇役まで魅力的なキャラクター造形、痺れるセリフ、感動的なエピソードを注ぎ込んだ、八年ぶりのシリーズ最新作は、著者のミステリー&エンターテインメント作家としての最高到達点となった!(光文社ウェブサイトより)

4位『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(8)』夕蜜柑[著](KADOKAWA)

5位『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第四部 貴族院の自称図書委員(9)』香月美夜[著](TOブックス)

6位『トヨトミの逆襲 小説・巨大自動車企業』梶山三郎[著](小学館)

7位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼[著](講談社)

8位『居酒屋ぼったくり おかわり!』秋川滝美[著](アルファポリス発行/星雲社発売)

9位『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ』たままる[著](KADOKAWA)

10位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

〈単行本 文芸書ランキング 12月17日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年12月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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