デビュー作にして「このミス」1位『屍人荘の殺人』の続編がベストセラーランキングに

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 1月7日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』が獲得した。
 第2位は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。第3位は『暗約領域 新宿鮫XI』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『魔眼の匣の殺人』。2017年に刊行され年末恒例のミステリー賞を総なめにした『屍人荘の殺人』(東京創元社)の続編だ。著者の今村昌弘さんは前作がデビュー作。高まった期待にしっかりと応え、今作も「このミステリーがすごい!2020年版」で国内編3位の栄誉を獲得している。

 今作は人里離れた施設で死の予言通りに起きる殺人事件をめぐる物語。書評家の杉江松恋さんは《謎解きの美しさこそが本書最大の魅力》とし、《不揃いの手がかりがあるべき場所に収まっていく謎解きを読んで、戦慄にも似た快感を覚えた》と賞賛。ミステリ評論家の千街晶之さんも《謎解きの論理性において前作を凌駕(りょうが)する作品となった》と解説し、期待に違わぬ出来栄えに賛辞を送っている。
https://www.bookbang.jp/review/article/564440
https://www.bookbang.jp/review/article/565860

 また前作『屍人荘の殺人』は12月13日に実写映画も公開された。神木隆之介さん、浜辺美波さん、中村倫也さんらが出演し、公開初週の土日で観客動員16万7000人、興行収入は2億円を突破した(興行通信社調べ)。

1位『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』宮部みゆき[著](毎日新聞出版)

江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいき、次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する富次郎。おちかが聞き手だったころ、ふとした縁の導きがあって三島屋に入り、百物語の守り役となったお勝。富次郎が幼いころから三島屋に奉公してきた古参の女中、おしま。この三人で語り手を迎え、新たな変わり百物語の幕が開く。(毎日新聞出版ウェブサイトより)

2位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼[著](講談社)

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。(講談社ウェブサイトより)

3位『暗約領域 新宿鮫XI』大沢在昌[著](光文社)

信頼する上司・桃井が死に、恋人・晶と別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、孤独の中、捜査に没入していた。北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に新上司・阿坂景子は、単独捜査をやめ、新人刑事・矢崎と組むことを命じる。一方、国際的犯罪者・陸永昌は、友人の死を知って来日する。友人とは、ヤミ民泊で殺された男だった──。冒頭から一気に読者を引き込む展開、脇役まで魅力的なキャラクター造形、痺れるセリフ、感動的なエピソードを注ぎ込んだ、八年ぶりのシリーズ最新作は、著者のミステリー&エンターテインメント作家としての最高到達点となった!(光文社ウェブサイトより)

4位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

5位『大名倒産(上・下)』浅田次郎[著](文藝春秋)

6位『アラフォー賢者の異世界生活日記(11)』寿安清[著](KADOKAWA)

7位『落日』湊かなえ[著](角川春樹事務所)

8位『魔眼の匣の殺人』今村昌弘[著](東京創元社)

9位『冒険者をクビになったので、錬金術師として出直します! 辺境開拓?よし、俺に任せとけ!(3)』佐々木さざめき[著](双葉社)

10位『人間』又吉直樹[著](毎日新聞出版)

〈単行本 文芸書ランキング 1月7日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年1月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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