住野よるの青春小説が若い読者に響くワケ 4作目の長編『か「」く「」し「」ご「」と「』が文庫ベストセラーに

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 11月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『罪の声』が獲得した。
 第2位は『マスカレード・ナイト』。第3位は『か「」く「」し「」ご「」と「』となった。

 3位の『か「」く「」し「」ご「」と「』は『君の膵臓をたべたい』(双葉社)の住野よるさんが2017年に発表した4作目の長編小説。10月28日に文庫化された。男女5人のクラスメートそれぞれが抱える「かくしごと」が絡み合う青春小説となっている。書評家の倉本さおりさんは同作の特徴的なタイトルについて《まず読み方がわからない! え、この「」、いったい何?――実際に読んでみればその意味はわかる仕掛けになっている。そして「」の中に詰まっているのは、誰もが経験したことのある心の揺らぎだ》と解説。住野さんの作品に共通するのは、《すべての作品に“どんでん返し”が用意されている点に加え、台詞が多用されているのでテンポよく読み進められる。細かい伏線がきっちり回収される点も読後の爽快感につながっている》という編集担当者による言葉を引きながら、徹底した読者目線が若い読者から支持される秘訣であると分析している。

SNS世代に響くベストセラー 読者目線の仕掛け

1位『罪の声』塩田武士[著](講談社)

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め―。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。(講談社ウェブサイトより抜粋)

2位『マスカレード・ナイト』東野圭吾[著](集英社)

敵も化けている。決して騙されるな。 若い女性の他殺体が発見。警視庁に届く一通の密告状。犯人は、コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる!? 練馬のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに犯人が現れるという密告状が警視庁に届く。新田浩介は潜入捜査のため、再びフロントに立つ。コンシェルジュに抜擢された山岸尚美はお客様への対応に追われていた。華麗なる仮面舞踏会が迫るなか、顔も分からない犯人を捕まえることができるのか!? ホテル最大の危機に名コンビが挑む。(集英社ウェブサイトより)

3位『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よる[著](新潮社)

みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、共感度No.1の青春小説!(新潮社ウェブサイトより)

4位『本性』伊岡瞬[著](KADOKAWA)

5位『この素晴らしい世界に祝福を! よりみち2回目!』暁なつめ[著]三嶋くろね[イラスト](KADOKAWA)

6位『盤上の向日葵(下)』柚月裕子[著](中央公論新社)

7位『盤上の向日葵(上)』柚月裕子[著](中央公論新社)

8位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

9位『危険なビーナス』東野圭吾[著](講談社)

10位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編(3)』衣笠彰梧[著]トモセシュンサク[イラスト](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 11月10日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年11月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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