ヤフー×本屋大賞「2020年ノンフィクション本大賞」が決定 終末医療の現場を取材した作品が受賞

文学賞・賞

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「Yahoo!ニュース | 本屋大賞2020ノンフィクション本大賞」の大賞作品が10日、ノンフィクション作家・佐々涼子さんの『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)に決まった。

 受賞作は、著者自身の父と母の話を交えながら終末医療の現場や在宅医療に携わる人々を描くとともに、癌告知を受けた看護師との対話から命の閉じ方と生き方について深く考えさせられる一冊。

 ジャーナリストの秋山千佳さんは「幾人もの『亡くなりゆく人が教えてくれる最期のレッスン』は、生を考える貴重な学びとなる。病院での治療に唯々諾々と従うだけでなく、腹をくくれば最期まで主体的に生きる方法があるということも」と同書の意義を解説している。
https://www.bookbang.jp/review/article/615411

 著者の佐々涼子さんは、1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。日本語教師を経て、フリーライターに。2012年に『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で第10回開高健ノンフィクション賞を受賞。2014年に上梓した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』は、紀伊國屋書店キノベス第1位、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位、新風賞特別賞など数々の栄誉に輝いた。

「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」は、全国の書店員がお客様に勧めたい本を投票して大賞を決定する「本屋大賞」と、ヤフー株式会社が運営する日本最大級のインターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」がタッグを組み、2018年に創設された。前年の7月1日から当年の6月30日の間に、日本語で出版されているノンフィクション作品を対象とし、書店員による一次投票、二次投票を経て、大賞作品を決定する。なお、大賞作品の作者には、副賞として100万円の取材支援費が提供される。

 今年の「Yahoo!ニュース | 本屋大賞2020ノンフィクション本大賞」のノミネート作品は以下のとおり。

『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子[著]集英社インターナショナル
『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子[著]KADOKAWA
『女帝 小池百合子』石井妙子[著]文藝春秋
『聖なるズー』濱野ちひろ[著]集英社
『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』高橋ユキ[著]晶文社
『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』ブレイディみかこ[著]筑摩書房

Book Bang編集部
2020年11月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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