スマホは現代の「アヘン」か 数学者・新井紀子も警鐘を鳴らす「スマホ脳」

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 2月21日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『スマホ脳』が獲得した。
 第2位は『人新世の「資本論」』。第3位は『在宅ひとり死のススメ』となった。

 トーハンのベストセラーランキングでは5週連続で1位を獲得した『スマホ脳』。スウェーデンの精神科医がデジタル・デバイスの使いすぎに警鐘を鳴らした一冊だ。同書では最新の研究成果からスマホの便利さに脳が依存してしまい、体や心に様々な悪影響を及ぼすことを解説している。

日本人の読解力の低下に警鐘を鳴らし続ける数学者の新井紀子さんは同書の書評で、スウェーデンの労働大臣とデジタル・デバイスの危険性について話し合ったエピソードを紹介しながら、《何か取り返しがつかないことが起こっている――楽観的なスウェーデン人ですら、そう感じ始めたのだ》と述べている。さらに18世紀のイギリスが阿片の輸出で清を滅亡へと追い込んだ例をあげ、《ひとたび依存に陥れば、貧困の中でも人々はその魔手から逃れられない。もしスマホが現代の阿片だったら? それでも私たちはこのテクノロジーを無批判に受け入れるべきだろうか》と考察を広げている。

■【新井紀子さんによる書評全文】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』
https://www.bookbang.jp/review/article/663393

1位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。(新潮社ウェブサイトより)

2位『人新世の「資本論」』斎藤幸平[著](集英社)

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。 気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。 それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。 いや、危機の解決策はある。 ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。 世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!(集英社ウェブサイトより)

3位『在宅ひとり死のススメ』上野千鶴子[著](文藝春秋)

累計111万部ベストセラー『おひとりさまの老後』シリーズ、最新作!  「慣れ親しんだ自宅で、自分らしい幸せな最期を迎える方法」を提案。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『現代語訳 論語と算盤』渋沢栄一[著]守屋淳[翻訳](筑摩書房)

5位『コロナとバカ』ビートたけし[著](小学館)

6位『明日死んでもいいための44のレッスン』下重暁子[著](幻冬舎)

7位『世界のニュースを日本人は何も知らない(2) 未曽有の危機の大狂乱』谷本真由美[著](ワニブックス)

8位『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』クーリエ・ジャポン[編](講談社)

9位『自分の頭で考える日本の論点』出口治明[著](幻冬舎)

10位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治[著](新潮社)

〈新書ランキング 2月16日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年2月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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