梨園の妻と世界的写真家のダブル不倫 舅は人間国宝、息子は歌舞伎界の貴公子 林真理子が実名で描く「奇跡」のような物語[文芸書ベストセラー]

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 3月1日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『奇跡』が獲得した。
 第2位は『塞王の楯』。第3位は『黒牢城』となった。

 1位の『奇跡』は林真理子さんが世界で活躍した写真家の故・田原桂一氏と梨園の妻であった博子さんの奇跡のような恋愛を描いた物語。林さんがご本人の博子さんに取材を行い、物語として残すことを提案。博子さんは当時、歌舞伎の名家に嫁いでおり、息子も歌舞伎の道を歩み始めていた。人間国宝の舅や若手歌舞伎俳優のなかでもその美貌と才能が注目を集める息子に迷惑がかかることを躊躇した博子さんはその申し出を一旦は辞退した。しかしコロナ禍を受け、博子さんは《人類がいかに進化し、時代が移り変わろうとも自然の力にはかなわない。自分がどのような道に進もうとも、すべてを受け入れ、その日、その時に感謝の念を抱いて生きていかねばという強い思いの塊が湧き上がって参りました。》(田原博子さんInstagramアカウントより)と心境が変化し、二人の物語を書いてほしいと願うようになったという。執筆は出版元の講談社のなかでも極秘で進められ、林さんの作品としては38年ぶりの描き下ろしとして発売された。

1位『奇跡』林真理子[著](講談社)

男は世界的な写真家、女は梨園の妻――「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました」生前、桂一は博子に何度も言ったという。「僕たちは出会ってしまったんだ」出会ってしまったが、博子は梨園の妻で、母親だった。「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人――。これはまさしく「奇跡」なのである。私は、博子から託された”奇跡の物語”をこれから綴っていこうと思う。数々の恋愛小説を手掛けた林真理子が、一生に一度、描かずにはいられなかった特別な愛の物語。38年ぶりの書き下ろし!(講談社ウェブサイトより)

2位『塞王の楯』今村翔吾[著](集英社)

どんな攻めをも、はね返す石垣。どんな守りをも、打ち破る鉄砲。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!(集英社ウェブサイトより)

3位『黒牢城』米澤穂信[著](KADOKAWA)

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『はじめての』島本理生[著]辻村深月[著]宮部みゆき[著]森絵都[著](水鈴社)

5位『アラフォー賢者の異世界生活日記 16』寿安清[著](KADOKAWA)

6位『拝啓、おふくろ』道上洋三[著](光文社)

7位『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬[著](早川書房)

8位『お気楽領主の楽しい領地防衛 2 ~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~』赤池宗[著](オーバーラップ)

9位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成[著](KADOKAWA)

10位『母の待つ里』浅田次郎[著](新潮社)

〈文芸書ランキング 3月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年3月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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