【話題の本】『心をととのえるスヌーピー 悩みが消えていく禅の言葉』チャールズ・M・シュルツ著、谷川俊太郎訳、枡野俊明監修

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

■穏やかに生きるヒントに

人気キャラクターのスヌーピーが登場する米国の漫画「ピーナッツ」。英語学習や名言集などさまざまな切り口の本があるが、本書は、曹洞宗の僧侶、枡野俊明さんが監修した禅の言葉を説いた入門書。昨年発売され、発行部数は10万部に上る。

担当編集者は「ピーナッツのキャラクターの哲学的な発言と余白の多い絵のシンプルな世界観が禅の世界と合うと考えました」と明かす。「日日是好日」など禅の言葉とその解説文、漫画を見開きで紹介する構成。たとえば、この世で起こるすべてのことはとどまっていないという教えである「諸行無常」。これに合わせて紹介された漫画では、「よいことはすべていつか終わる…」と話すライナスに、チャーリー・ブラウンが「よいことはいつ始まるんだい?」と返す。2人のコミカルな会話から、自然と禅の考え方に触れ、穏やかに生きるヒントが見つけられる。

スヌーピーファンだけでなく、贈り物需要も捉え、読者層は幅広いという。担当編集者は「コロナ禍で閉塞(へいそく)感があるなか、『自分を許す』『そのままの自分を認める』といったメッセージを求めて、手に取っている人も多いのかもしれません」と話している。(光文社・1430円)

油原聡子

産経新聞
2022年8月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

産経新聞社「産経新聞」のご案内

産経ニュースは産経デジタルが運営する産経新聞のニュースサイトです。事件、政治、経済、国際、スポーツ、エンタメなどの最新ニュースをお届けします。